経済法規委員会/9月1日
法制審議会商法部会では、本年3月より、会社分割法制について検討を行っている。当初再来年(2001年)の通常国会への法案提出を目指していたが、産業競争力会議等における経済界の強い要望により、来年(2000年)の通常国会への提出を目指すこととなった。
法制審議会商法部会では、さる7月7日、来年の通常国会への提出を目指し「商法等の一部を改正する法律案要綱中間試案(以下、中間試案)」をとりまとめ・公表し、各界に意見照会を行なった。この意見照会に対し、経済法規委員会(委員長:安西邦夫氏)では、会員企業から意見を募るなどして、同委員会企画部会(部会長:山本勝氏)、同部会経済法規専門部会(専門部会長:西川元啓氏)で、「中間試案」について検討を行ない、さる9月1日、「中間試案」に対するコメントをとりまとめ、法務省に提出した。
以下は、「中間試案」および経団連のコメントの概要である。なお、経団連のコメントの詳細については、経団連ホームページ、「中間試案」の詳細については、法務省ホームページ(http://www.moj.go.jp/)を参照。
中間試案が導入を提案する分割の類型は以下の2通り。(図1参照)
「中間試案」が導入を提案する分割の手続は、合併等の他の組織変更と同様、以下の通り。(なお、吸収分割の場合には、「承継する会社(分割された部分を吸収合併する会社)」で、吸収合併とほぼ同様の手続が必要となる)
「中間試案」が導入を提案する分割の手続では、現行法下での分社化で問題となる、検査役の調査は不要であり、債権債務の譲渡手続は簡素化される(分社型の場合、「設立する会社(承継する会社)に移転しない債務は官報公告のみの手続、移転する債務は債務者への個別催告の手続、分割型の場合、移転しない債務、移転する債務ともに債務者への個別催告の手続)。
「抜殻方式」類似の分割の容認:
いわゆる抜殻方式類似の方法による純粋持株会社への移行を可能とするため、新設分割・吸収分割において、権利義務の全部を承継できるよう要望(コメント「1.」)
新株発行・増資を行なわない分割の容認:
承継される財産・負債が均衡している場合に、新株発行・増資を行なわない分割の容認を要望(コメント「7.」)
一部分割、米国型の分割、営業譲渡の基準の明確化:
株主総会の特別決議を経ない営業の全部譲受の容認:
純資産の10分の1を超えない営業の全部譲受について株主総会の特別決議を経ないで行なえるよう要望(コメント「13.」)
その他: