経団連くりっぷ No.110 (1999年10月14日)

皇太子奨学金基金記念式典/9月18日

皇太子奨学金基金発足40周年記念式典をハワイで開催


9月18日に、ハワイのヒルトンホテルにおいて、皇太子奨学金基金の発足40周年式典が行なわれた。皇太子奨学金は、1959年の皇太子明仁殿下(現在の天皇陛下)のご成婚を祝し、ハワイ在住の日系人が中心となって60年にハワイにおいて正式に創設された。本式典は、基金発足40周年とともに天皇・皇后両陛下のご成婚40周年を祝うものであり、同窓生が約100名に達するのを契機に同窓会を発足し、世界中で活躍する同窓生のネットワーク強化をはかっている。式典には、同窓生38名が世界中からハワイに参集するとともに、R.ホンダ理事長はじめ財団理事、経団連が事務局を務めている日本委員会からは、和田代表委員(経団連専務理事)、木村委員(三菱地所企画部長)などが出席した。また、日本から紀宮内親王殿下のご来席を賜わった。

  1. 奨学金で得られたかけがえのない財産は人と人との繋がり
  2. 同窓生によるパネルセッションが行なわれ、「皇太子奨学金が人生に与えた影響」というテーマのもとで、11名の同窓生代表が体験談を発表した。彼らがそろって強調したのは、国際感覚、異文化理解、人と人との繋がりの重要性などであった。国、人種、民族などを超えたさまざまな人々とのネットワーク構築が、学者を目指した奨学生、企業人を目指した奨学生、いずれにおいても、皇太子奨学金によって得られた貴重な財産となった。
    また、パネルセッションには、紀宮内親王殿下にご来席賜わり、奨学生とご懇談いただいた。殿下は、奨学生一人ひとりに、留学生時代の研究分野、現在どのような分野で活躍しているかなどについて尋ねられるとともに、励ましのお言葉を賜われた。

  3. 子孫の教育の充実を願った日本人移民の夢を奨学金が実現
  4. 夕食会では、関係者1,500人が出席し、まずハワイの州知事代理、市長、在ホノルル日本国総領事などの政府関係者、支援団体代表による祝辞が述べられた。次に、ご来席いただいた紀宮内親王殿下より、お言葉を賜わった。
    殿下は、本式典が基金の40周年ならびに天皇・皇后両陛下のご成婚40周年記念を祝すことを大変お喜びになり、奨学生が日米の文化交流に貢献することに対する期待をお述べになられた。また、100年以上にわたる日本からハワイへの移民の歴史に触れられ、日系移民が厳しい労働環境のなかで、子孫の教育の充実を願ったこと、その夢を奨学金が叶えたことなどもお述べになられた。
    さらに、40周年を記念して製作した財団の紹介ビデオの上映が行われた。続いて、フォーリー駐日米国大使が祝辞を述べ、日米の強力なパートナーシップが世界の発展に貢献することを強調した。和田日本委員会代表委員による同委員会の活動紹介が行われた後、同窓会の発足が発表された。最後に、これまでの功績をたたえ、ホンダ理事長に特別功労賞が授与され、閉会となった。


くりっぷ No.110 目次日本語のホームページ