経済政策委員会 企画部会(部会長 小井戸雅彦氏)/9月13日
経済政策委員会 企画部会では、21世紀初頭に予測される労働力人口の減少の下で、経済社会の活力を維持していく方策について検討を進めている。この一環として、日本労働研究機構の伊藤 実主任研究員から、雇用のミスマッチ解消に向けた諸課題につき、説明をきくとともに、意見交換を行なった。
約300万人の失業者のうち、再就職の緊要度の高い中高年層は100〜150万人程度とみられる。失業者増加の原因の一つとして、職業能力のミスマッチと年齢・賃金のミスマッチによる再雇用の困難さがある。
職業能力のミスマッチには、
能力のミスマッチについては、大企業長期勤続者が、コンピュータ操作技術等欠けている技術の習得に向け自助努力することが必要である。年齢と賃金のミスマッチを解消するには、年功賃金体系を職種別・仕事別賃金体系へと変えていくことが求められる。また、労働者が自らの社会的な評価を正しく把握するための職業・賃金情報の提供が必要である。
規制緩和、労働法制の改革は相当進展しており、今後は関連政省令の整備を進めていくことが求められる。また、逼迫する雇用保険特別会計を鑑み、給付制度の対象を、労働者個人と新規雇用側企業に移す等、雇用対策の中身の吟味と、職業能力の強化に向けた余剰金の活用が必要である。