新産業フォーラム(経団連、経済広報センター主催)/11月4日
経団連は、新産業・新事業の創出・育成に向けた取組みを強化する観点から、新事業の成功に必要な発想や、挑戦的風土の醸成のための方策を探るべく、経済広報センターとともに新産業フォーラムを開催した。当日は、約450名が参加者した。
新事業の成功に必要な発想や挑戦を成功させる方策について一緒に考え、その成果を各社において活かし、産業界として新産業・新事業の開拓に努めていただきたい。こうした積み重ねが、わが国の活力を復活させ、元気ある明るい21世紀の展望を開くことに繋がるものと確信している。
日米両国は、起業家精神を持つ人々がグローバルに競争し、ベンチャーが生まれるように、相互に協力するとともに、起業家に道を開き、環境を整備し、さらに内外の投資家に対して新事業創出の機会を提供しなければならない。
もし日本が起業家がもつエネルギーを動員し、さらに制度改革並びに経済のリストラを着実に実施するならば、21世紀を目前にして、日本も大きく飛躍することだろう。
米国は、1980年代に大幅な規制緩和を行ない、競争による新しい産業・雇用を生み出し、効率的な産業構造への転換に成功した。現在の米国のダイナミズムは、NASDAQのインターネット関連96社の時価総額が日本の上場企業のそれの約1.5倍に達するなど新興勢力に元気があることと、GEやGMなど伝統的な大企業が、インターネットのインパクトにより自らのビジネスモデルを本気で変えようと自己変革していることによって発揮されている。
日本も、ネットワーク時代において、政府が規制改革、公的事業の縮少、税制見直しを進めるとともに、民間企業には、生き残りをかけた自己変革が必要である。政財界が揃って自己変革することが、新産業・新事業の創出へと繋がっていく。
日本が活力を取り戻すためには、規制改革により低コストな通信ネットワークを構築することや、産学連携の推進、リスクマネーがベンチャー企業に供給される仕組みづくりが重要である。立ち上がり時にリスクを負うベンチャーを育成するのであれば、税制面で優遇すべきである。
低コストで資金を調達できなければベンチャー企業は育たない。米国のインターネット関連のベンチャー企業は、良いアイデアだけでスタートし、ゼロコストキャピタルで運営されているところが多い。
また、最初に動いた人は、失敗や破産もありうるが、大きなアドバンテージをもっており、アドバンテージを最大限活かさねばならない。そして、失敗や破産を、面子を失うものと捉えるのではなく、起業家精神の学位を授かるものと捉える社会へ変えることが必要である。
高原新産業・新事業委員会共同委員長が、チャレンジ精神に溢れた活力ある社会づくりを目指して、社会一般・個人・経営者・教育機関・政府に対する働きかけを、新産業・新事業委員会として引き続き行なうことを宣言した。
(なお、フォーラムの詳細は、今月末頃日本経済新聞[朝刊]に掲載予定)