経団連くりっぷ No.114 (1999年12月9日)

今井会長の一言


11月24日(水)
経団連欧州ミッションの成果(理事会)

「11月の7日から17日まで、経団連ミッションがベルギー、フランス、英国、ドイツを訪問し、ユーロ導入後の各国経済や次期WTO交渉について各国首脳、経済団体と意見交換して参りましたので、報告します。
第一の単一通貨ユーロ導入については、各国の評価も高く、決して後戻りはしないとの感想を持ちました。ユーロ導入で為替が安定化した上に、巨大な統合市場を背景に国境を越えた企業の統合・合併などによる構造改革が進んだことなどから、導入後前半は停滞していた景気も回復し、今後EU各国の成長率は3%前後と見通されています。
第二のEUの深化と拡大については、EUは中東欧を大きなマーケットと考えており、拡大の強い意向を感じました。一方で6カ国で始まった機構を25カ国以上でも機能させるためにはかなり大掛かりな意思決定機構の改革が必要になります。議席を失う中小国の加盟国政府が消極的になっており、実際の拡大にやや時間がかかるとの印象を持ちました。
第三のWTOについては、農業、サービスに加えてより包括的なテーマで、3年以内に、一括受諾方式で交渉することには日本とEUの間には完全な合意が確認されました。しかし、交渉の優先順位には若干の温度差が見られます。日欧の協調をいかに続けるかが今後の交渉を円滑に進める上での大きな鍵になります。」

11月25日(木)
経済新生対策の早期実施を(北陸地方経済懇談会)

「景気は昨年末に底を打ち、緩やかながら回復過程に入ったものと認識しております。今後景気が横這いで推移すれば1%成長、来年度は2%成長も可能と考えております。一方で、民間設備投資が依然として減少を続けていることから、景気の足元が盤石になっているとは考えておりません。もうしばらくは財政出動による政策支援を続ける必要があると考えています。本日、事業規模18兆円の経済新生対策を実行に移すための第二次補正予算が国会に提出されましたが、今後はこれを早期に成立させ、迅速に実施に移していただきたいと存じます。」


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