経団連くりっぷ No.115 (1999年12月22日)

ワヒッド インドネシア大統領との朝食懇談会(司会 上島重二 日本・インドネシア経済委員長)/11月16日

日本は最も重要なビジネス・パートナー


インドネシアのアブドゥルラフマン・ワヒッド大統領一行を迎え、朝食懇談会を開催した。同大統領は、本年10月20日に第4代大統領に選出された後、アセアン諸国、米国、日本、中東、さらに中国と精力的に歴訪し、国際的な信用回復に努めている。

  1. ワヒッド大統領発言要旨
  2. インドネシアにとって、日本は最大の投資家であり、最も重要なビジネス・パートナーである。新政府のキー・ワードは「誠実」と「開放」である。新政権の誕生後、新しい環境ができつつあり、日本企業に是非投資してほしい。日本企業の投資がインドネシア経済の再活性化につながる。また、日本企業には応用技術の移転の面で協力してほしい。
    日本・インドネシア両国は、相互信頼の下、今後も協力していく必要がある。政府に対する批判も重要であり、日本側からも安心して意見を出してもらいたい。
    今まで重視されていなかった海洋資源の開発にも力を入れたい。
    大統領として、大きな責任を負っていると認識している。健康には十分留意している。

  3. クイッ・キアン・ギー調整大臣発言要旨
  4. 経済政策については、政府としてもある程度のコントロールは行なうものの、引き続き市場経済システムを基本とする。経済関連法規の整備が特に重要と考える。また、組み立て中心の産業構造から脱却するためにも、裾野産業の育成が必要である。
    インドネシアは、外国企業から見ても大きく変化していくであろう。投資手続きの効率化、透明性の向上を図っていく。誰が権力に近いかではなく、ビジネス・パートナーがプロフェッショナルかどうかで判断してほしい。インドネシアにおけるビジネスはシンプルになるだろう。

  5. 経団連側発言要旨
  6. 民主的なプロセスによる大統領、副大統領選出を歓迎する。インドネシアの経済指標も好転の兆しを見せ始めたが、これを本格的な回復に結びつけるためには、更なる努力が必要である。日本企業も事業拡大を通じて、インドネシアの経済回復に貢献したいが、政治的・社会的安定がその前提になる。大統領のリーダーシップに大いに期待したい。
    電力・港湾・輸送等のインフラ整備、地方産業の育成、海洋資源開発などの多くの分野で意欲的な新政策が実行されることを期待している。


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