経団連くりっぷ No.116 (2000年1月13日)

なびげーたー

今井会長のリーダーシップのもとに

事務総長 内田公三


今井会長は1998年5月の就任以来、常に先頭に立って景気の回復、産業競争力の強化に努め、着実にその成果をあげつつある。

今井会長の最初の1年は否応無しに景気対策に明け暮れた。日本経済の再生を図るにはまず金融システムの安定化を図ることが必要不可欠であった。そこで、金融システムの安定化に向けての提言を行ない、いわゆる金融3法の成立、公的資本の注入が実現した。これにより、最悪の事態を回避することができ、ジャパン・プレミアムも解消するに至った。他方、この間効果的な財政出動や税制の抜本改革を求め、そのかなりの部分がその後の経済対策に盛り込まれた。特に、法人税の国際水準への引き下げの実現は経団連の永年の課題であり、その意義は大きい。

また昨年3月には、経団連の提唱により、「産業競争力会議」が設置された。この会議は、小渕総理以下ほぼ全閣僚と産業人とで構成され、そこで合意されたことは即実行に移されるところに特徴がある。その成果の一つが「産業活力再生特別措置法」であり、これにより企業の事業再構築が円滑化され、既に30社以上が同法に基づく認定を申請している。さらに、21世紀の産業技術力強化のために「ミレニアムプロジェクト」(情報化、高齢化、環境の3分野)がとりまとめられ、平成12年度予算において特別枠として1,206億円の措置がとられた。

今井会長は、同時に対外関係にも熱心に取り組まれた。特に、通貨・経済危機にあったアジア諸国には2回にわたり7カ国を訪問し、各国首脳と忌憚のない意見交換を行った。また、昨年11月には、欧州諸国を訪問し、ユーロ誕生以降の欧州経済ならびに日本経済の展望についても懇談した。

さらに今井会長は、豊田前会長のバトンを受けて、中央省庁等改革推進本部顧問会議座長として中央省庁再編などを実現させた。また、産業構造審議会会長、財政制度審議会特別部会長、運輸政策審議会会長、電気事業審議会会長等として政府の審議会に幅広く参画され、深い識見と適確な判断を示され、指導力を発揮して来られた。

今井会長は、日頃から経済の発展は、個人や企業の自由な活動が中心であるが、そのためのより良い環境整備を政府に求め、実現していくことが経団連の役割であると言われている。また、人一倍勉強家であり、相手が誰であろうと真摯な態度で意見を聞かれる。それだけに事務局としては、大変ではあるが、大いにやりがいもある。

会長は、本年を21世紀に向けた飛躍のための総仕上げの年と位置づけ、これまで積み残した構造改革を断行すると主張されている。事務局としても会長を精一杯補佐し、存在感のある今井経団連を実現するよう努めていきたい。


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