経団連くりっぷ No.117 (2000年1月27日)

日本ミャンマー経済委員会(委員長 鳥海 巖氏)/12月6日、7日

新たな展開が期待される日・ミャンマー関係

−第3回日本ミャンマー合同経済会議を開催


去る12月6日、7日の両日、ヤンゴンにおいて第3回日本ミャンマー合同経済会議を開催した。日本側からは鳥海団長以下45名、ミャンマー側からエーベル議長府付大臣以下56名が出席した。会議終了後、日本側一部団員は、政府要人を表敬訪問し、他の団員はミャンマーとタイのジョイントベンチャーである宝石工場と日系の鉛筆工場の視察をした。
今回の会議は、11月のASEANプラス3の首脳会議における小渕首相とタン・シュエ首相との15年ぶりの会談、およびその直後の橋本前首相によるミャンマー訪問を受けて開催され、表敬訪問では、タン・シュエ首相との面会も実現した。

合同会議では、両国ならびにASEANの経済状況に関する報告に続いてミャンマーとの貿易・投資の拡大、農業およびその他産業開発、更には人材育成について討議した。
日本側からは、ミャンマーがグローバル社会で魅力を認められる国になることが重要との発言があった。また、日本側は、ミャンマーとの貿易・投資関係を拡大するために、ハードおよびソフトのインフラ整備、二重為替問題の改善などに向けた一層の努力を求めた。
ミャンマー側からは、

  1. 農業規模の拡大、
  2. インフラ整備、特に電力プロジェクトの推進、
  3. 石油・ガス開発などの分野で日本からの投資や技術導入、更には人材育成協力等への期待、
が示された。
タン・シュエ首相、キン・ニュン第一書記、マウン・マウン・キン副首相、ウー・キン・マウン・ティン財政・歳入大臣への表敬訪問において、日本側は、支援の前提として、大学の再開、国民議会の召集などの環境作りにミャンマー政府が取り組むことを求めた。

これに対して、タン・シュエ首相からは、

  1. 国民会議の招集に向けて準備中、
  2. 大学教育は76%が再開しているが、残りの再開も準備中、
  3. 民主主義国家の建設に再挑戦中で、失敗は許されないため、慎重に取り組んでいる、
  4. 少数民族との関係改善が重要であり、まだ完全には解決していない、
  5. 民主化の促進のためにも外国からの支援が必要、
との説明があった。
日本ミャンマー経済委員会としては、合同会議および要人表敬の模様を政府に報告するとともに、ODAの再開、特にミャンマー側から要請が出ているベーシク・ヒューマン・ニーズや環境に関連した支援の早期実施を働きかけていく。また、ミャンマーにおける貿易・投資の具体的問題については、合同会議の下にワーキング・グループを設置し、改善策を検討していく。


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