経団連くりっぷ No.118 (2000年2月10日)

今井会長の一言


1月28日(金)
経済の本格再生・回復を
−WEF(世界経済フォーラム、於 スイス・ダボス)年次総会・Japan Dinner

「規制緩和や過剰設備の処理などの構造改革が進む一方で、わが国にも米国にまけないIT革命が進行し、続々と情報通信関連の新事業が生まれつつあります。情報関連企業や金融機関からヒアリングする限り、今年の情報関連投資の伸びは非常に大きく、1998年末に底を打った景気が昨年から順調に回復を示しております。
通貨危機に陥ったアジア諸国の回復もめざましく、日本にとって急激な円高は回避すべきであり、そのことが先のG7でも再確認されておりますが、現在の円の水準なら、多くのアジア諸国の景気回復には、大変好ましい影響がでてまいります。中国の朱総理も円高のおかげで、人民元を切り下げることなく、大変助かっていると話しておられました。日本とアジアの経済関係は大変深いものがありますので、双方が支えあって成長することで、日本が2〜3年後には胸をはって本格的な再生・回復を宣言できるようになると考えております。」

1月29日(土)
われわれは外資を歓迎します
−WEF年次総会

「21世紀を展望しますと、グローバル化はもはや世界の潮流であります。一方、労働力については、言語、宗教、文化等の違いから自由に国境を越えることはなく、グローバル化の中でも国民国家と国境は存在し続けます。そのため、国民は雇用の確保等を求め、政府に各種の政策を要望します。政府がこうした国民の要望を2国間、多国間の交渉でそのまま代弁しますと、時として自由貿易を阻害し、保護主義に陥り、グローバル化に逆行してしまいます。
国民の懸念を払拭する一つの鍵は、国内雇用を直接的に増大する効果を持つ外国からの直接投資の受け入れです。アメリカは早くから海外の投資家に門戸を開いてきました。欧州各国も1980年代に要塞と呼ばれましたが、要塞に陥ることなく、EUの深化と拡大に並行して自由な投資市場を目指しております。日本も規制緩和を進め、現在外資の進出にあたっての障害はほとんどありません。自動車、通信、金融等近年の幅広い分野での外資の参入がそのよい証拠になります。われわれは外資を歓迎します。」


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