第564回常任理事会/1月11日
昨年12月20日、約3年間の審議を経て国会等移転審議会の答申が取りまとめられた。そこで、森 亘 同審議会会長(東京大学名誉教授)より、審議会における首都機能移転先候補地の選定過程等について説明をきいた。
審議会では専門家による基礎資料作製のほか、現地調査、公聴会を実施した。その結果、調査対象地域である北東、東海、三重・畿央の各地域を通じ、合計10ヵ所の総合評価対象地域を設定した。それらにつき、国内外からのアクセス容易性、景観の魅力、地震や火山災害に対する安全性、土地の円滑な取得の可能性など16の項目(細分化すると18項目)にわたり、専門家が数値による評価を下した。さらに審議会委員が評価項目間の重みづけを行なって総合的な評価結果を算出した。
以上の作業を踏まえ、答申に向かっては、
その結果、
他方、総合評価の数値は、栃木・福島地域と岐阜・愛知地域が僅差で最も高かった。三重・畿央地域は、評価値が低いために正式の候補とはなしえず、また茨城地域は、評価値もある程度高く、地理的に近い栃木・福島地域の支援拠点として位置づけることが適当であろうとした。
以上の審議を経て、答申では、「移転先候補地として、北東地域の『栃木・福島地域』又は東海地域の『岐阜・愛知地域』を選定する。『茨城地域』は、自然災害に対する安全性に優れる等の特徴を有しており、『栃木・福島地域』と連携し、これを支援、補完する役割が期待される。『三重・畿央地域』は、他の地域にはない特徴を有しており、将来新たな高速交通網等が整備されることになれば、移転先候補地となる可能性がある」と文章化した次第である。