国土・住宅政策委員会(委員長 古川昌彦氏)/1月28日
経団連では、基地経済から脱却し自立を目指す沖縄の振興を支援している。一方、沖縄県では現在、特別自由貿易地域への製造業を中心とする企業の誘致等に努めており、経団連ではこれに呼応して、沖縄県商工労働部の協力のもと、沖縄県企業立地推進に関する現地説明会を開催し、総勢17名で沖縄を訪問し、中城湾港新港地区等を視察した。
沖縄では、米国の統治下にあった1959年10月に最初の自由貿易地域が那覇港三重城に指定されていたが、1972年5月の日本復帰の際、琉球列島米国民政府令で設置されていた「旧」自由貿易地域は消滅し、沖縄振興開発特別措置法において、沖縄自由貿易地域制度が法制化されることとなった。
その後、1987年12月に沖縄開発庁長官から那覇地区が地域指定を受け、翌88年に供用が開始されたときには27社が入居するなど活況を呈したが、バブル崩壊後は、一時、9社まで落ち込んだ。しかしながら、1999年4月以来、入居のテナント料を3割引き下げたり、通信コストに対する手厚い補助などの措置が奏効し、今年に入って新たに6企業が入居を希望するなど、やや持ち直しているところである。
自由貿易地域における利用上のメリットとして、
特別自由貿易地域では、沖縄振興開発特別措置法に規定する関税法上の保税地域制度、関税の課税の選択制度が適用される上、地域内に新たに設立された企業に対して新設後10年間、所得の35%につき法人税の課税所得から控除されるという優遇措置が適用される。自由貿易地域(那覇地区)と比較しても大きなメリットとなっており(下表参照)、これによって、課税対象所得を5億円と想定した場合、約1億円の法人税が軽減され、立地企業にとって大きなインセンティブが働くものと考えられる。
中城湾港は、沖縄本島中南部の東海岸に位置し、約2万4,000haの広大な海域を有し、古くから天然の良港として利用されてきた。新港地区は、沖縄県における物資の円滑な流通を確保するための流通拠点としての機能を有している。現在、産業振興、雇用創出、産業構造の改善等に寄与する工業用地の確保を図るなど、流通機能と生産機能を併せ持った「流通加工港湾」の整備を図ることを目的として開発事業を推進している。
さらに、沖縄県経済振興策の一環として、特別自由貿易地域制度が制定されたため、1999年3月31日に新港地区の122.4haが特別自由貿易地域に指定された。これを受けて、1999年度より特別自由貿易地域の用地分譲を開始したところである。現在、公募している97.9haの土地に対して、特に
特別自由貿易地域における優遇措置 | ||||||||||||||||||||
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この他、地方税、融資などについても、各種の優遇措置が講じられている。なお、所得控除制度(1) 以外は、自由貿易地域那覇地区にも適用される。
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