経団連くりっぷ No.119 (2000年2月24日)

わが国観光はいかにあるべきか

−地域活性化における観光の役割


観光は、旅行総費用額として約20兆円の直接効果をもたらすとともに、波及効果として、約50兆円の生産高と約420万人の雇用創出を伴う裾野の広さを有しており、今後、経済的・時間的に余裕のある高齢人口の増大に伴い、21世紀の基幹産業の一つになると期待されている。

しかしながら、対外的関係からみると、邦人海外旅行者数が1,600万人までに増加したのに対して、訪日外国人旅行者数は400万人(世界第32位)に過ぎず(表参照)、九州・沖縄サミットやワールドカップ、愛知万博等を契機に、「魅力ある日本」をアピールするとともに、国際ハブ空港等インフラ整備の促進をはじめ、観光に関する高コスト構造の是正に努める必要がある。

こうした中、本年秋には、政府の観光政策審議会において「21世紀初頭における観光振興方策について」が答申される予定であり、経団連としては、国土・住宅政策委員会を中心に、わが国観光戦略のあり方を検討し、提言していくこととする。


表 外国人旅行者受入数トップ40カ国(1998年)

順 位受入数
(千人)
1998年の統計
(%)
199019951998
111フランス70,00011.2
332スペイン47,7437.6
223米国47,1277.5
444イタリア34,8295.6
755英国25,4754.1
1286中国24,0003.8
877メキシコ19,3003.1
2798ポーランド18,8203.0
10119カナダ18,6593.0
81010オーストリア17,2822.8
91311ドイツ16,5042.6
161212チェコ16,3252.6
17*1813ロシア15,8102.5
5614ハンガリー14,8802.3
141715ポルトガル11,8001.9
131616ギリシャ11,0771.8
111417スイス11,0251.8
191518香港9,6001.5
242019トルコ9,2001.5
212120タイ7,7201.2
151921マレーシア6,8561.1
202222オランダ6,1701.0
222423ベルギー6,1521.0
262524アイルランド6,0721.0
552625南アフリカ共和国5,9811.0
232326シンガポール5,6000.9
382727インドネシア4,9000.8
323028アルゼンチン4,8590.8
292929チュニジア4,7000.8
313130韓国4,2500.7
186031クロアチア4,2000.7
283432 日本4,1000.7
383233オーストラリア4,0120.6
353834エジプト3,7660.6
373535サウジアラビア3,7000.6
342836マカオ3,5800.6
333637プエルトリコ3,2550.5
254038モロッコ3,2410.5
534939ブラジル3,1350.5
303940ルーマニア3,0750.5
1位から40位までの合計538,57186.1
世界の合計625,236100.0
* 旧ソ連出所:世界観光機関(WTO)

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