経団連くりっぷ No.119 (2000年2月24日)

ABAC日本支援協議会/2月4日

APEC・ABAC2000への抱負


APECならびにABACの2000年の公式活動は、2月12日から20日にブルネイで開催される第1回高級事務レベル会合(SOM)ならびに同24日から27日までバンコクで開催される第1回ABAC会合を皮切りにスタートする。これら会合を前に、昨年12月に設立されたABAC日本支援協議会では、2月4日、関係者を招き「2000年のAPECおよびABACの活動指針に関する会議」を開催した。

  1. APEC2000への抱負
    1. 外務省 天野経済局総務参事官
    2. わが国として2000年は、APECのより強力な基盤づくりならびに新たな協力のための活動を展開していく。昨年来、経済・技術協力活動が本格化しているが、同分野での官民協力をさらに推進していきたい。

    3. 通商産業省 寺田通商政策局経済協力部長
    4. 2000年は、活動するAPECを目指す。その一例として、通産省ではAPECにおける法制度整備支援策ならびに電子商取引についての取組みを推進する方針で、積極的に関連のシンポジウム、ワークショップ等を開催していく予定である。WTOに関連し、貿易・投資分野ではAPEC活動を通じた途上国・地域の能力構築に取り組む。

  2. 2000年のABAC活動への抱負
    1. 楠川ABAC日本委員
    2. ABAC日本支援協議会の活動として、各産業からの意見の集約および21カ国・地域メンバーとの交流等に期待する。ABAC21カ国・地域の中心は、資金面でも日本と米国である。われわれとしても、ABAC事務局の運営、活動等については積極的に注文をつけていきたい。APEC会合にあわせてAPEC・CEOサミットが毎年開催されているが、これまでのところ日本企業からの参加がほとんどない。今年は同会議への日本企業からの参加を求めたい。
      2000年の抱負としては、新興エコノミーを含むアジアの地域性を尊重した意見形成に努力したい。本年も引き続き金融タスクフォースの共同議長を務める。

    3. 荒井ABAC日本委員
    4. 1999年3月から日本委員に就任しているが、引き続き、多様な背景を持つアジア地域のビジネス社会におけるコンセンサス形成に向けて尽力したい。
      本年は、APMC(行動計画監視委員会)共同議長と技術タスクフォースの委員を務める。技術タスクフォースでは情報通信技術やバイオテクノロジー問題等をめぐる議論が行なわれる。情報技術分野では、米国から具体的プロジェクトの提案があると予想されるが、ABACは政策問題を検討する場でありプロジェクト推進機関ではないとの立場から反対していく方針である。また中小企業代表として、6月には中小企業フォーラムにも参加の予定である。


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