経団連くりっぷ No.120 (2000年3月9日)

今井会長の一言


2月24日(木)
ユーロの適正レートを望む
−駐欧州各国大使との懇談会

「欧州11カ国で単一通貨ユーロが導入されてからすでに1年が経過しました。導入されました1999年1月から大きな問題もなく現在に至っており、大変順調なスタートが切れたと認識していますが、現実の為替相場はヨーロッパの経済実態よりも安く推移して来たのではないかと思われます。私どもとしては、いつユーロが実力相応のレートで落ち着くのか、大きな関心をもって見守っています。先月、ドイセンベルグ欧州中央銀行総裁と懇談した際にも、総裁からは、今後のEUの本格的な景気回復に伴ってユーロが対ドルで上昇していくことを確信している旨の説明をいただいています。われわれとしましては、1日も早くユーロが適正なレートになることを願っています。また、多くの日本企業が進出している英国がユーロに参加していないことに加えて、ポンド高になっています。経団連としましては、引き続き英国のユーロへの早期参加を強く望んでおります。WTO交渉の再開につきましても、わが国と近い見解を有している欧州との協力を強め、交渉の早期再開に結び付けることが必要と考えます。」

2月25日(金)
景気回復の基調は間違いない
−東海地方経済懇談会

「わが国の景気につきましては、一昨年の末に底を打ってからは漸く最悪期を脱し、現在は緩やかながらも着実な回復過程にあるとの実感をもっています。3月に発表される10〜12月期のGDPは2000年問題の影響もあってマイナスが予想されていますが、ここ数ヵ月の生産、機械受注、企業収益は確実に持ち直しており、アジア向け輸出も好調なため、回復の基調にあることは間違いないと思っています。年の後半にかけては、情報通信関連産業の設備投資や金融機関の情報化投資も増大し、経済の構造改革を加速化させていけば、景気を自律回復軌道に乗せることは難しくないと思います。その場合、年度の後半では2%台の成長にのせることもできると思っています。」


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