経団連くりっぷ No.122 (2000年4月13日)

ABAC日本支援協議会 /3月14日

2000年のABAC活動がスタート

−ABAC2000バンコク会議報告会を開催


2月22日、松下 正幸 松下電器副社長の後任として、鳴門 道郎 富士通副会長が新たにABAC日本委員に任命された。次いで2月25日から27日、バンコクで約120名の参加を得て第1回ABAC会合が開催され、2000年のABAC活動がスタートした。2000年のABAC活動は、APEC域内の自由化の進展、APEC能力構築イニシアティブへの協力、域内でのビジネス活動促進における具体的な成果の実現を重点分野として、活動を行なう。ABAC日本支援協議会では、3月14日、関係者を招き「ABAC2000バンコク会議報告会」を開催した。以下は、各部会・委員会の報告概要である。

  1. 金融アーキテクチャー部会
    (報告:永安正洋 富士総研国際活動委員会事務局長)
  2. 本部会は、金融危機再発を防止するための金融システムの構造改革を議論するための場として、新たに本年から設置された。今回は、

    1. 各国の金融・資本市場の健全性を高めるための指標・仕組みの考案(ベンチマーキング)、
    2. アジアにおける債券市場整備の具体的方策と問題点の検討(アジア金融センター)、
    3. インターネットを使った金融分野での人材育成・技術支援の実施、
    4. 世界的な金融アーキテクチャーに関するABACの貢献、
    等につき、議論を行なった。

  3. テクノロジー部会
    (報告:伊達新之輔 富士通 政策推進本部国際部長)
  4. 今回の会合では、

    1. APECにより実施される各国・地域別の電子商取引に関するインフラ、スキル、制度等の問題点の自己分析を行う「電子商取引準備評価イニシアティブ」への協力、
    2. eASEANへの協力、
    3. オンライン遠隔教育等、情報技術を活用した人材育成や、中小企業へ支援の重要性、
    4. バイオ技術、
    等につき検討を行なった。

  5. ビジネス円滑化部会/行動計画監視委員会(APMC)
    (報告:岡山英弘 日本商工会議所国際経済担当課長)
  6. ビジネス円滑化部会では、APECビジネス・トラベル・カードの実現を目指し、本年11月の首脳会議開催時までに12カ国の参加を目標に努力を続けることになった。また、基準・適合性に関わる貿易障害を取り除くため、今後、首脳への提言案を作成し、5月の北京会議でさらに検討することが合意された。また、エネルギー関連分野の投資促進、航空サービスの自由化に関し、各担当大臣への書簡をABAC議長名で送付することになった。
    APMCでは、昨年カナダが実施した、税関手続き、基準適合性、ビジネス関係者の移動の3分野に関する調査をもとに、各国企業に対し改めてアンケートを実施し、ビジネスの現場における問題点や改善点についての実態を明らかにすることになった。このアンケート結果は、5月25日から28日に開催される北京会合に提出される予定である。


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