経団連くりっぷ No.123 (2000年4月27日)

ハンガリー共和国ゲンツ大統領歓迎昼食会、経済フォーラム/4月10日

良好な経済と魅力ある国ハンガリー


経団連はじめ経済5団体は、国賓として来日したゲンツ大統領を招き、歓迎昼食会を開催した。また、午後にはロシア東欧貿易会など経済4団体と共催で同大統領とともに来日したヤーライ大蔵大臣、シュトゥンフ首相府大臣、レケッチ ハンガリー日本経済クラブ会長、セーレシュ ハンガリー産業連盟会長はじめ経済人一行約70名を招き、「ハンガリー経済フォーラム」を開催した。同フォーラムではゲンツ大統領挨拶の後、(1)ハンガリー経済、(2)2003年のEU加盟問題、(3)日本への要望などについてハンガリー側より説明があった。

  1. ゲンツ大統領挨拶要旨
  2. ゲンツ ハンガリー大統領

    本年はハンガリー建国1000年に当る。この記念すべき年に、大統領として訪日が実現したことは日ハンガリー関係において大変重要なことといえる。
    今回の訪日を通じ、一層建設的な意見交換ができることを期待している。
    20世紀にハンガリーは3度の社会変動を余儀なくされた数少ない国である。特にここ10年間の社会・経済変動には著しいものがあった。その変革のプロセスでは日本の戦後復興モデルが大変参考になった。
    日本企業の経営は堅実で「石橋をたたいて渡る」というイメージが強いが、数多くの日本企業がハンガリーで操業していることは大変好ましいことである。
    1956年のハンガリー動乱の際、一時ブダペストが戦場と化したにもかかわらず、ハンガリーは日本への債務返済をきちんと行なった実績を持つ責任のある国である。投資する際に是非この事実を考えて欲しい。

  3. ハンガリー側発言要旨
    (経済フォーラム)
    1. 開かれた魅力ある国
    2. ベルリンの壁崩壊から10年、市場経済導入等ハンガリーでは経済構造改革が不断なく行なわれてきた。その結果、ハンガリーは中欧地域で最も外国投資を受け入れている国になった。
      1998年の日本の対ハンガリー直接投資は約628億円強で44社の日系企業が活躍している。この事実からみてもハンガリーの投資環境の良さ、労働力の質の高さ、優遇措置等が評価を得ていることがわかる。
      今後、2003年に予定されているEU加盟が実現すれば、新たなビジネス・チャンスを提供することとなり、ハンガリーの魅力が一層増すことになろう。

    3. 望まれる対日関係強化
    4. 日ハンガリー両国の通商関係は、強化されつつあるものの、日本の輸入全体からみたハンガリーのシェアは両国の経済規模および潜在性に鑑みれば、未だ不十分である。今後一層増大することが望まれる。


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