日本イラン経済委員会(委員長 相川賢太郎氏)/5月23日
日本イラン経済委員会では、ニリ予算計画庁次官、ホセニ石油省国際担当次官、ダッドマン運輸省次官らイランの関係者を招いてセミナーを開催し、現在推進中の第3次経済開発5ヶ年計画について説明をきいた。
イラン経済は失業という問題に直面しており、経済活動の拡大が重要な課題となっている。民間部門に対してより活発な活動を奨励し、長期的な投資を受け入れなければ、安定した経済が継続していかなくなるだろう。第3次計画では、マクロ経済対策に加え、分野別に戦略的な課題を分析し、政策提言を行なっている。
第3次計画は5年間を通じてGDP6%成長を目標にしている。民間投資の伸びは年8.5%、公共投資は年5%の伸びを見込んでいる。インフレ率の目標圏設定は、金融政策の重要な柱となっており、過去5年間の26.5%に対して、5ヶ年計画の期間中は平均15.9%を目標にしている。
日本はアメリカに次ぐ石油消費国で、7割以上を中東諸国から輸入している。石油ショックを機に、日本の石油会社はさまざまな場所で積極的に油田開発を行なった。しかし、リスクやコストの高い場所が多く、余り成功していないという見方もある。リスクとコストが低い例えばイランに投資すれば、利権や収益も大きくなろう。
イランは天然ガスの埋蔵量も多く、安定的に石油を提供することができる。外国投資家に対して、関税免除といったインセンティブも準備している。イランの法律に則ったバイバック契約が、石油ガス開発プロジェクトに使われている。このスキームは国際石油会社の期待にも応えるもので、投資リターンとして原油の輸入を確保しうる。
第3次5ヶ年計画では、運輸部門の民営化を推進するとともに、国の独占を最小限に押さえるよう、政治・経済的に新しい手法が取られている。輸送については、安全でコスト効果が大きく、時間通りの交通の流れを確保することに重きが置かれている。
特に海運や港湾、鉄道の優先度が高い。