貿易投資委員会 総合政策部会(部会長 團野廣一氏)/6月2日
総合政策部会では、民間産業界の立場から、わが国が自由貿易協定を推進していく意義や問題点等について具体的な検討を行なっている。この一貫として、神戸大学の細野昭雄教授から、北米自由貿易協定(NAFTA)およびEUメキシコ自由貿易協定の概要、日墨自由貿易協定の可能性などを中心に話をきくとともに懇談した。この中で細野教授は、日本の産業界がメキシコにおいて欧米企業と同等の条件でビジネス活動ができるよう、包括的な内容を含む日墨自由貿易協定を積極的に推進すべきであると述べた。
米州地域においては、北のNAFTAと南のメルコスール(南米南部共同市場)を中心に、多くの自由貿易協定が網の目のように存在している。1990年代に入り、米州域内の貿易・投資が急速に伸びたが、自由貿易協定が果たした役割は大きい。
特にメキシコは、NAFTAの加盟国であるとともに、本年7月1日には欧州共同体との自由貿易協定が発効する。
さらに、2005年を目指して、米州のすべての国を含む米州自由貿易地域(FTAA)の創設に向けた交渉も進んでいる。
NAFTAおよびEUメキシコ自由貿易協定は、物品の貿易に加えて、サービス貿易、投資、政府調達、知的財産権、紛争処理等の幅広い内容を含む包括的な協定である。
NAFTAでは、投資に関して、
日本は、メキシコにおいて、わが国産業界が蒙っている不利益を解消し、欧米諸国の企業と同等の条件で貿易・投資活動ができるよう、メキシコとの間に包括的な内容を含む自由貿易協定を締結すべきである。
同時に、例えばシンガポール等のように比較的産業構造が近い国と、今後のモデルとなるような自由貿易協定の締結を検討すべきである。