経団連くりっぷ No.128 (2000年7月13日)
経団連意見書 /6月20日
税制委員会では6月13日、標記提言をとりまとめ、20日の理事会の承認を得て公表した。同提言では、国民負担率の上昇を抑制し活力ある経済・社会を構築するため、国・地方を通じた財政改革、直間比率の是正を含めた歳入面の改革、社会保障制度などの構造改革を一体的に進めることが重要であると指摘した上で、当面の課題として、会社分割税制の整備、連結納税制度の早期実現などを求めた。特に地方法人課税については、法人住民税・事業税の一本化など簡素化を中心とする地方税制全体の見直しと地方行財政改革の実現が重要であることを指摘し、法人事業税だけを取り上げて外形標準課税を導入することには反対の立場を明確に打ち出した。以下は提言の概要である。
21世紀を展望した税制改革に向けて
- 連結納税制度の早期導入と企業組織再編に係る税制措置
- 連結納税制度の早期導入
- 会社分割法制の導入に伴う関連税制整備
- 法人課税の残された課題
- 欠損金の過去2年分の繰り戻し還付と10年間の繰越し控除の実現
- 減価償却資産の法定耐用年数の大幅簡素化・短縮および備忘価格までの償却
- 一般寄附金の損金算入限度および公益的寄附金の範囲の見直し
- 外国税額控除の拡充
- 地方課税の抜本改革
- 国と地方の事務区分見直しに応じた税源の再配分
- 地方法人課税の簡素化=法人事業税を廃止し法人住民税へ一本化
- 個人所得課税の改革
- 所得税・住民税減税の制度化、課税最低限の適正化、納税者番号制度導入
- 経済活性化のための所得税改正(住宅減税の拡充・継続、ストック・オプション税制の拡充)
- 企業年金に係る税制の整備
- 確定拠出年金法案の早期成立
- 特別法人税の撤廃
- 企業年金制度の規制改革に伴う税制措置
(厚生年金基金の代行部分の返上、厚生年金基金から税制適格年金への移行の際の非課税、ハイブリッド・プランの導入、事業主拠出の損金算入枠の弾力化)
- 金融・証券税制の改革
- 配当に対する二重課税の排除
- 有価証券譲渡益課税の見直し
- 非居住者保有債券の源泉徴収免除の拡充
- 土地税制の見直し
- 土地譲渡益重課の廃止
- 不動産取得税・登録免許税の軽減
- 特定事業用地の買換特例の拡充
- SPCにかかる税制措置(原資産保有者の譲渡益課税繰延べ)、等
- 起業・中小企業税制の整備
- 新規創業企業の欠損金の繰越期間の無期限延長
- エンジェル税制の拡充
- ベンチャー・キャピタル税制の導入
- 有限責任事業組合契約法(仮称)創設に係る税制措置
- 相続税・贈与税の改革
- 相続税(最高税率の50%ヘの引下げ、累進構造の見直し、基礎控除の引上げ)
- 贈与税(税率見直し、基礎控除額の引上げ、住宅取得資金に係る特例の拡充)
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