経団連くりっぷ No.130 (2000年8月10日)

日本ミャンマー経済委員会2000年度総会(委員長 鳥海 巖氏)/7月11日

ミャンマーの経済改革を支援

−外務省 アジア局 高橋課長よりきく


日本ミャンマー経済委員会では、2000年度の定時総会を開催し、1999年度事業報告・収支決算、2000年度事業計画・収支予算を審議し、原案通り承認した。当日は、外務省アジア局南東アジア第一課の高橋礼一郎課長より、6月24、25日にヤンゴンで開催されたミャンマー経済構造調整支援ワークショップの模様について説明をきいた。

○ 高橋課長説明要旨

  1. このワークショップは、昨年11月のASEANプラス3の首脳会議で、小渕首相がタン・シュエ首相と会談した際に、日本側からミャンマーの経済改革を支援していく用意がある旨表明したことを受けて実現したものである。このワークショップの目的は主に2つある。第1は、現在モメンタムに欠ける日ミャンマー関係を進展させるために二国間で忌憚のない話ができる場を設けることである。第2に、軍事政権とスーチー女史の対話を求めることが重要であるものの、それがなかなか進まないため、同時に軍事政権自らが民主化等にむけた自己改革を進めるよう支援するということがある。

  2. 日本、ミャンマーともに参加メンバーは、産官学の構成とし、日本からは、学識経験者に加え、外務省、通産省、大蔵省、JICA、経団連、日本商工会議所の関係者の参加を得た。これまで日本側のそれぞれの関係者が独自に進めてきたミャンマーとの協力関係を、一つの絵としてとまとめあげるためにもこの点は重要だと考える。さらに、ミャンマー側については、政治的な意思決定ができるレベルのサポートを得ることが重要と考え働きかけた結果、キン・ニュン第一書記の協力を得ることができ、開会式にもご出席頂けた。

  3. ワークショップは、マクロ経済、産業政策、貿易・投資促進の3つのセッションで構成された。キン・ニュン第一書記の協力を得られたこともあり、ミャンマー側から予想以上に積極的な意見が出され、中味のある議論ができた。特にマクロ経済のセッションでは、ミャンマー側から、二重為替を統一した際の利害損失に関する実証的な分析を日本側と共同で行ないたいという提案があった。

  4. 今後は、今秋を目処に日本で開催する第2回ワークショップに向けて、各セッションごとにワーキング・グループを構成し、その中で、今回出された点を短期と中長期の課題に整理する。そして短期的なものについては速やかに実施に移していき、中長期的なものについては、学識経験者が中心となって政策提言を作成する。短期的なものとしては、統計整備をJICAのスキームのもと行なうことがほぼ決定している。


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