経団連くりっぷ No.135 (2000年11月9日)

中曽根教育改革国民会議担当補佐官との懇談会(司会 大賀副会長)/10月23日

教育改革国民会議中間報告について懇談


教育改革国民会議からの申し入れに基づき、中曽根教育改革国民会議担当補佐官(参議院議員)との懇談会を開催した。懇談会では、教育改革国民会議が9月22日に公表した中間報告について説明をきくとともに懇談した。

  1. 中曽根補佐官発言要旨
    1. 教育改革国民会議の審議経過
    2. 教育改革国民会議は、教育の基本に遡り幅広く今後の教育のあり方について検討するため、本年3月に当時の小渕総理の私的諮問機関として発足し、「人間性」、「学校教育」、「創造性」をテーマとした3つの分科会に分かれて検討を重ね、9月22日に中間報告を公表した。

    3. 中間報告のポイント
    4. 中間報告は、

      1. 人間性豊かな日本人を育成する、
      2. 一人ひとりの才能を伸ばし、創造性に富む日本人を育成する、
      3. 新しい時代に新しい学校づくりを、
      4. 教育振興基本計画の策定、
      5. 教育基本法の見直し、
      の5つを柱として、17の提案を行なった。具体的で分かりやすく、建設的な提案となるよう心がけた。

    5. 今後のスケジュール
    6. 現在、教育界、経済界をはじめさまざまな団体から意見を伺うとともに、新聞広告等による国民への意見募集、さらに、全国4都市(福岡、大阪、東京、新潟)で「一日教育改革国民会議(公聴会)」を開催しており、こうした意見を年内に公表する最終報告に反映していきたい。
      森総理は、来年の通常国会を「教育改革国会」に位置づけ、教育改革関連法案の提出を表明した。文部省では、教育改革実施本部を設置して関連法案の検討に着手している。
      個人的には、教育改革国民会議の仕事は、まだ半分だと思っている。今回は、緊急的な事項を議論したが、今後、教育基本法など本質的な問題についても検討してもらいたい。

    7. 経団連に対する要望
    8. 産業界に対しては、

      1. 中間報告を話題にして幅広い国民的議論を湧き起こすこと、
      2. 父親の教育活動参加のため年次有給休暇とは別に「教育休暇制度」を導入すること、
      3. 子どもの体験活動や教員の長期社会体験研修の受け入れ、
      4. 有害番組へのスポンサーの自粛、
      等をお願いしたい。

  2. 懇談要旨
  3. 経団連側からは、

    1. 「学校は道徳を教えることをためらわない」のではなく、「道徳を教えなければならない」とすべきである、大学生は半年〜1年間社会のために時間を使う、
    2. 学生の学力低下に対処して欲しい、
    3. 教員人事、評価、処遇等に関する校長の権限を明確にしたうえで、親が学校を選択できるようにする、
    4. 技術バカや科学音痴にならないように、物の考え方や基本理念が分かるような総合的な教育を行なう、
    5. 親の問題を強調すべきである、
    等が指摘された。こうした点も踏まえて、今後、経団連人材育成委員会では、中間報告に対するコメントをとりまとめて伝える予定である。


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