経団連くりっぷ No.136 (2000年11月22日)

1%クラブ−ジャパン・プラットフォーム企業懇談会(司会 田中社会本部長)/11月2日

国際緊急救援活動におけるNGO・政府・企業の連携強化を


国際緊急救援活動において、NGO、外務省、企業が協力・連携するための社会的システム「ジャパン・プラットフォーム(JPF)」が8月10日発足した。9月4日に企業に支援を呼びかける説明会を開催したところ、これまでに数社から具体的な提案があった。今後の協力体制について、支援に関心を寄せる企業とJPFに参加するNGOが懇談の機会を持った。

  1. JPF体制づくりの進捗状況
  2. JPFに参加するNGOの連合体「ジャパン・プラットフォームNGOユニット(以下NGOユニット)」の代表 大西健丞氏(ピースウィンズ・ジャパン主任調整員)、副代表の高瀬一使徒氏(ワールドビジョン・ジャパン海外事業部長)他10名のNGO関係者から以下の説明があった。

    1. NGOの能力強化につながる参加基準
    2. NGOユニットは東京都に特定非営利活動法人(NPO法人)格取得を申請中で、認証は来年3月の予定。現時点では16団体の参加だが、客観的基準を満たす全てのNGOに参加の機会が開かれている。参加基準は、透明性とアカウンタビリティーを重視し、倫理基準、情報開示、会計基準、事業評価等を盛り込んでいる。

    3. 事業展開のシナリオづくりが課題
    4. 難民・災害発生から約1週間の初動調査、約2ヵ月の緊急支援、2ヵ月以降の復興支援の3段階に分けて活動を考えている。支援事業は、個々のNGOが実施する場合、数団体で共同して実施する場合の両方が考えられる。JPF全体では、初動調査の実施や共有資源の配分調整などを行う。
      現在、NGOユニットで最も議論されているのは、いつどのような場合に出動するのか、現場でどのように活動するか、とのガイドラインづくりである。NGOは多様であり、お互いが受け入れられるものをつくっていくことが重要になっている。従来の外務省の「NGO事業補助金」はメニューが確立されており、NGOはそれに従ってプロポーザルを作成してきたが、JPFではNGO自らがスキームをつくり上げていく点で画期的である。ただし、それだけに困難さも伴う。

  3. 企業の支援検討状況
  4. NGOの能力強化につながる支援への高い関心

    JPFへの支援を正式決定している企業の担当者からは、「政府・企業・NGOの新しい協力形態としてのJPFに期待している。特にNGOの能力強化に資するような支援が重要と考え、支援内容をNGOとも相談の上で決定した。」との発言があった。JPFの体制強化の観点での企業からの提案は、(a)映像の編集・検索システムの寄贈、(b)インターネット上の情報システム構築、(c)事務局への社員出向など。その他に、医薬品関連の資金援助の仕組み、機材調達に関する情報の提供やメンテナンス訓練などが検討されている。


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