経団連くりっぷ No.138 (2000年12月28日)

ミガシ スロヴァキア国民評議会議長一行との懇談(司会 佐々木ヨーロッパ地域委員会共同委員長)/12月4日

日本からスロヴァキアへ更なる投資を期待


訪日したミガシ スロヴァキア国民評議会議長、シュラホール スロヴァキア輸出入銀行総裁ら一行が経団連を訪問し、佐々木ヨーロッパ地域委員会共同委員長他と懇談した。一行からは、EU加盟実現に向けた同国の現状と今後の見通しを伺った。また、日・ス経済交流拡大に向け、日本からの更なる投資を期待しているとの説明があった。

ミガシ国民評議会議長

○ スロヴァキア側発言要旨

  1. EU加盟に向けた取組み
  2. スロヴァキアでは、今年2月からEU加盟に向けた交渉が開始された。
    政府はEU加盟のために必要とされているマーストリヒト条約の基準達成に向けて経済安定化政策に取り組んでいる。スロヴァキアの通貨クローナはドルはじめ主要通貨に対して安定しており、またGDPも安定した成長が見込まれている。インフレについても政府と国立銀行が協調して抑制している状態で、2000年は8%程度、来年はさらに下げたいと考えている。今年OECD加盟を果たし、30番目のOECD加盟国となったスロヴァキアにとって、EU加盟は次なる大きな目標であり、楽観的な見方としては2003年に、遅くても2005年までには実現したい。
    経済安定化策の一環として着手した民営化のプロセスも、着実に進められている。特に銀行分野については、ほとんどの主要な銀行の民営化が実現しており、スロヴァキア最大の銀行も今年民営化を果たした。銀行業界のみならず、保険や、石油・ガスといったエネルギー関連分野の民営化も行われている。さらに政府としては中小企業振興に取り組んでいるところである。

  3. 日本からの投資を期待
  4. スロヴァキア自体は小国であるが、欧州の中心に位置し、欧州各地へのアクセスポイントとしての役割を持つため、近隣諸国をあわせた市場は9,000万人にも及ぶ大きなマーケットになる。各地からスロヴァキアに投資をしている企業の90%が投資の拡大を希望していることからも判るように、スロヴァキアは投資先として大変魅力的である。
    スロヴァキアでは、外国資本に対する優遇措置が設けられており、この措置は構造的に大変有利なものになっている。これまで日本からも多くの投資が行われているが、IT分野をはじめ、更なるインフラの整備が実現するためにも、これまで以上の投資をぜひともお願いしたい。


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