経団連くりっぷ No.141 (2001年2月8日)

今井会長の発言から


1月16日(火)
域内貿易比率の向上、二国間の自由貿易協定の締結などにより、アジアの貿易活性化をはかる必要があります
−リー・シェンロン シンガポール副首相の表敬訪問

「日本企業の東南アジアに対する関心の高さは変わっていません。円高であれば、日本企業は海外で生産した方が有利という判断をして、アジアへの投資が増えます。ただし、1ドル120円位の水準であれば、海外でなく日本で生産を行うという企業が増えてくると思います。円高の方が、アジアにとっては良いといえます。
東アジアの域内貿易の比率は、現在33%程度の水準です。これを、NAFTAやEUの50%〜60%にまで高めていく必要があります。経団連は、アジアの域内貿易を増やし、活性化することに力をいれています。
シンガポールは、いろいろな国との自由貿易協定交渉を進めていると伺っています。日本との交渉も今年から始まります。日本にとっては、これが初めての自由貿易交渉であり、うまく協定を締結して、韓国やメキシコなどとの次の協定につなげていきたいと思っています。」

1月18日(木)
日本は「第三の開国」の時期を迎えており、内外に開かれたシステムの構築が大きな課題です
読売国際経済懇話会における講演

「21世紀を迎え、100年というスパンで日本を考えると、明治時代は世界から学びながら、富国強兵・殖産興業で国力をつけていきました。昭和にはいってからは、世界から次第に孤立し、帝国主義戦争に突入し、敗戦を迎えました。しかし、日本は、戦後、奇跡的な復興と飛躍的な国民生活の向上を成し遂げました。
こうした戦前の近代国家確立のための努力、戦後の荒廃の中から世界第二位の経済大国をつくりあげた努力からもわかるように、方向さえ間違いなければ、日本は、非常に大きな力を発揮できる国であることを歴史が証明しています。
現在のグローバル化の中で、日本的システムの見直しが不可欠であったとしても、日本には構造改革を成し遂げ、新生していく能力が十分にあります。また、日本の新生は、世界の関心事項でもあります。明治維新が『第一の開国』、1945年の終戦が『第二の開国』といわれました。現在は『第三の開国』であり、内外に開かれたシステムを構築しなければならない時期なのです。」


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