経団連くりっぷ No.142 (2001年2月22日)

今井会長の発言から


2月5日(月)
経済界自らが、より一層構造改革の努力をしなくてはなりません
−定例記者会見

「1999年4月からの景気回復の足取りをみると、実質GDPの成長力は極めて弱いといえます。景気回復を支えたのは輸出であり、これが生産、収益、設備投資の増加につながりました。しかし、消費は横ばいで力強さに欠けています。また、物価の下落により、名目GDPの伸びはマイナスになっています。
今後の経済運営にあたって最も重要なことは、構造改革の断行です。まず、政府が財政構造改革のグランド・デザインを策定し、改革の道筋を国民に示して、安心感を与える必要があります。着手する時期は、社会保障改革は早いほうが良いと思いますが、財政改革は今すぐにとりかかるといっているわけではありません。
また、経済界自らが、もっと構造改革を進めていかなければなりません。ここにきて、金融機関の不良債権処理が止まっています。日本発の金融恐慌が心配された1998年頃に比べ、今は金融機関が困難に陥ったときに対処するための法律も整備されています。個別の金融機関に問題が生じても、金融全体に連鎖してシステミックリスクになることはないと思います。金融機関を中心に、より一層構造改革の努力をすることが重要です。」

2月5日(月)
経済の動きや実体を理解している経済界出身の政治家が求められています
−近藤たけし氏との対談(月刊Keidanren3月号)

「日本は、バブルが崩壊し、この10年間低迷を続けています。一方、米国はITを中核にして、順調に経済成長を遂げ、冷戦終了後の平和の配当を得ているといえます。グローバル化の進展に伴い、日本は法制や税制をグローバル・スタンダードに合わせなくてはいけません。しかし、こうした経済の動きや実体をしっかりと理解している政治家は多くはありません。
実際に企業で働き、経済とは何かをわかっている政治家が求められています。3年前の参議院選挙で、経済界出身の加納時男さんが当選し、活躍しています。経済界出身の政治家を増やしていくことが大事だと思います。また、こうした政治家を通して、経済界の考えていることを政治にうまく伝えていくこともできます。経済界代表の近藤たけしさんを応援していきたいと思います。」


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