日加経済関係の多様化に向けた検討会(座長 財前 宏 三菱商事顧問)/1月29日
本年5月の日本カナダ経済人会議に向けた検討作業の一環として、昨年9月25日の日加次官級経済協議の模様とその後の日本政府のフォローアップ活動につき、外務省北米局北米二課 斎木尚子課長、経済産業省通商政策局米州課 多田孝夫氏より説明をきいた。
1999年9月のクレティエン首相率いる官民合同ミッション「チーム・カナダ」の訪日を機に、日加間では両国経済関係の再活性化、新分野への拡大に向けた官民の連携が深まっている。
昨年9月25日にバンクーバーで開催された第15回日加次官級経済協議(JEC)では、二国間の個別イシューのみでなく、21世紀の日加経済関係のあり方について、大所高所から議論した。
WTOについては、新ラウンド交渉の早期立ち上げでは合意したが、カナダ側からは、カナダ民間セクターの間では、途上国の利害が強く絡むWTOへの関心が薄れ、米州自由貿易圏への関心が高まっているとの説明があった。
バイの経済関係については、双方とも、今後、関係を強化すべき分野を探るためには、まず両国の貿易・投資関係の現状を正確に把握することが不可欠との認識で合意した。
自由貿易協定(FTA)も含む二国間のイニシアティブについては、両国が国内にセンシティブ品目を抱えていることから、短期的な関税自由化は難しいこと、他方、相互承認や競争政策など新たに協力できる分野を探るとの認識でほぼ一致した。
次官級協議の翌日(9月26日)には官民合同会議が開催され、経済界からは、財前座長を含む日本カナダ経済委員会関係者、Business Council on National Issues のダキーノ専務理事やカナダ企業関係者が参加して両国経済関係の活性化について議論した。
JECでのやりとりを受け、日本側は、
JECではカナダ側より日本のFTAの候補先としてカナダも考慮して欲しいとの指摘があった。しかし、カナダは当時、総選挙を控えていたこともあり、当面は両国経済関係の現状分析や新たな協力分野の模索を進めることで合意した。