経団連くりっぷ No.144 (2001年3月22日)

社会保障制度委員会 医療改革部会(部会長 森 昭彦氏)/2月26日、3月8日

日経連社会保障特別委員会医療政策研究部会との合同会合を開催


経団連と日経連は、2002年5月の完全統合に向けて準備を進めているが、その先がけとして、2月26日と3月8日の2回にわたり、両団体の医療関係部会による合同会合を開催した。

  1. 開催の経緯
  2. 2002年度に医療保険制度の抜本改革が予定されており、抜本改革を先送りすることなく、着実な実現を図るためには、具体的な議論を速やかに開始する必要がある。また、経済財政諮問会議においても社会保障が重要な検討課題となっており、来年度概算要求基準策定に向けて改革の方向性が示されることとなっている。経済財政諮問会議や社会保障審議会には、奥田日経連会長が委員として参画しており、早急に、社会保障分野に関する経済界としての意見を統一しておく必要がある。
    そこで本年1月、奥田会長より、今井経団連会長に対して、両団体の統合スケジュールに先行して、医療に関する部会を合同で開催してはどうかとの提案があり、今井会長が合意したことから、合同会合が開催されることとなった。

  3. 合同会合の模様
    1. 2月26日には、経団連が昨年11月にとりまとめた「保険者機能の強化への取組みと高齢者医療制度の創設」について説明するとともに、意見交換を行った。経団連案は、65歳以上の高齢者について、世代内でリスクをカバーする独立の保険制度を創設し、現行の老人保健拠出金については廃止するよう提案している。委員からは、経済界としての意見統一の必要性、高齢者医療への現役世代からの支援のあり方、長期・短期に分けた改革の進め方、医療費抑制策のあり方等について意見が出された。

    2. 3月8日には、日経連より、「医療制度改革の基本方向」(検討案)の説明があった。日経連の検討案では、70歳以上の高齢者については独立の医療保険制度を設置して、老人保健拠出金を廃止する一方、60歳から70歳までの被用者保険の退職者については、現役世代からの支援を残しつつ、被用者保険が共同で設立する新たな退職者医療制度において保険給付を行うこととしている。
      委員からは、薬剤負担のあり方、新たな退職者医療制度の運営主体の考え方、高齢者医療制度の対象となる年齢基準のあり方、等について意見が出された。

  4. 今後の進め方
  5. 今後の進め方については、両団体の関係委員長、部会長で相談の上、引続き意見の調整を急ぐこととしている。


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