経団連くりっぷ No.148 (2001年5月24日)

ウルグアイ東方共和国 バジェ大統領歓迎昼食会/4月16日

ウルグアイから日本への貿易を増やしたい


経団連、日商、日経連、経済同友会、日本貿易会の経済5団体は、来日したウルグアイ東方共和国のバジェ大統領の歓迎昼食会を開催した。昼食会には、経済界から約30名が出席し、5団体を代表して稲葉日商会頭の挨拶の後、バジェ大統領のスピーチがあった。

○ バジェ大統領スピーチ要旨

  1. 日本とウルグアイの外交関係樹立80周年という記念すべき年に、ウルグアイのビジネスマンとともに訪日できて大変名誉なことである。この80年間、両国は文化、経済、貿易、政治といった分野で友好関係を培ってきた。
    ウルグアイの国土は日本の約半分、人口340万人に対して牛が1,200万頭、羊は2,400万頭など、牧畜業が盛んである。乳製品に加えて、木材や米など豊かな自然を利用した健康的な産品を有する。安定した国情を維持しようと努力しており、教育水準の高い開かれた国を目指している。

  2. メルコスール(南米南部共同市場)発足後、10年が経過した。ウルグアイはこれまで、メルコスールにおいて重要な役割を果してきており、その恩恵を受けて貿易面で大きく成長してきた。因みにウルグアイ貿易の40%以上がメルコスール加盟国のブラジルとアルゼンチンによって占められており、メルコスール形成のプロセスについて信頼と希望を持っている。
    一方で、メルコスールの運営についての実質的な事務局は存在しないことから、貿易上の問題が発生した場合は、各国の大統領が直接電話で話し合うなど、改善すべき部分が少なからず存在しており、安定した制度構造の必要性を認識している。

  3. 現在、ウルグアイは、アラスカからフェゴ島に至る共同市場、すなわち米州自由貿易地域(FTAA)の設立へ向けて行動している。今回の訪日後、カナダのケベック州で開催される米州会議に出席し、関係する34ヵ国の国家元首と、2005年1月1日の米州自由貿易地域の発足へ向けて意見交換する予定である。

  4. 日本とウルグアイとの貿易には古い歴史がある。日本の工業製品は、ウルグアイのような開かれた市場において、その品質の高さから消費者に喜んで受け入れられている。
    一方で、日本市場におけるウルグアイ製品の受け入れは少ない。これを是非増やしてほしい。貿易は相互関係、すなわち双方向になることが望ましく、日本からウルグアイへの一方的なものではなく、ウルグアイから日本への流れもまた重要である。貿易は国民にとって血液であり、友好推進に加えて文化を伝える役割も担っている。さらに民主主義政治を確固たるものにする手段であり、貿易なしでは国の社会は窒息する。

  5. 今回の訪日は、日本とウルグアイがお互いによく知り合う契機となると同時に、友情を強固にするものであると確信している。


くりっぷ No.148 目次日本語のホームページ