経団連くりっぷ No.149 (2001年6月14日)

テッサロニキ商工会議所バカツェロス会頭との懇談会/5月24日

アテネオリンピックに向け発展するギリシャ

−日本企業の積極的進出を歓迎


ヨーロッパ地域委員会(共同委員長:佐々木 元氏)では、ギリシャ北部の大工業地域であるテッサロニキからバカツェロス商工会議所会頭他を迎え、ギリシャ経済の現状および北部ギリシャへの投資の可能性などについて話をきいた。

○ バカツェロス会頭発言要旨

  1. 順調な発展を遂げるギリシャ経済
  2. ギリシャでは物価上昇率は3%以下、GDP成長率も3.5%以上の水準で財政再建も順調に進展しており、南東ヨーロッパで唯一のEMU(欧州経済通貨統合)加盟国として非常に順調に経済を運営している。ギリシャではまた、2004年のアテネオリンピックに向け、国を挙げて準備が進んでいるが、人口1,100万人の小国がオリンピックを開催した例はこれまでになく、ギリシャの経済・社会基盤の整備には、外国企業の参加が不可欠である。オリンピック向けの公共事業に加え、エネルギー分野や電気通信分野、運輸分野などでは、国営企業の民営化が進んでおり、日本企業にまたとないビジネスチャンスを提供している。

  3. 南東欧・バルカン諸国の要としてのギリシャ
  4. ギリシャはまた、南東ヨーロッパ地域、特にバルカン諸国との貿易・投資において中心的な役割を果たしており、それら諸国への投資額、貿易額、進出企業数などでギリシャは軒並み1位から3位の地位を占めている。ギリシャは、バルカン諸国とは1990年代の体制移行以前から緊密な関係にあり、それら諸国の事情に精通している。また、ギリシャ政府も、バルカン諸国の経済発展のため積極的な援助を行っている。日本企業もギリシャ企業のノウハウを活用すれば、バルカン諸国に対する貿易・投資の一層拡大が容易になろう。

  5. 日本企業のギリシャ進出を歓迎
  6. ギリシャは日本企業に対してギリシャ市場、バルカン市場の双方において魅力的な投資機会を提供している。また、ギリシャ政府は日本との経済関係の強化を目的として、ヘルメス計画を実施している。ギリシャ政府経済省には専門の部署が設置され、日本企業によるギリシャへの投資を計画段階から実現段階まで一貫してサポートする体制が整えられている。最近も日本の製造企業によるギリシャへの大型投資が実現した。バルカン諸国への拠点として、またオリンピックに向け発展するギリシャ経済の可能性を考慮し、ギリシャへの更なる投資をお願いしたい。


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