統計制度委員会企画部会(部会長 飯島英胤氏)/6月29日
統計制度委員会企画部会では、経済産業省経済産業政策局調査統計部の細山八郎 商業動態統計グループ長ならびに秦 茂則 第3次産業活動指数グループ長を招き、同省が作成する商業販売統計、第3次産業活動指数の概要と、これらの指標からみた最近の消費動向をきいた。
卸売業・小売業における毎月の販売額について、サンプル調査を行っている。ここ数年は、小売業販売額の減少が続いたが、昨年夏から横ばい状況にある。内訳をみると、家庭用機械器具(家電など)や燃料(ガソリンなど)の販売額は増加している。一方、飲食料品や衣料品の販売額は、低価格化の影響もあって大幅な減少を続けてきたが、昨年頃から減少傾向に歯止めがかかりつつある。但し、全体として順調に回復するまでには至らず、本年4、5月の小売業販売額は再び前年割れとなった。
大型小売店については、全数調査を実施している。百貨店の販売額は長期的に減少傾向にあるが、百貨店側の企業努力もあり、最近は下げ止まりつつある。スーパーについては、大規模店舗立地法の施行に伴う積極的な店舗展開がみられたが、既存の店舗に限れば販売額は大きく減少している。
1998年以降、コンビニエンスストアの販売額についても調査を行っている。これまで順調に販売額を伸ばし、現在も販売総額は前年を上回っているが、出店競争の激化などにより、既存店舗の販売額は減少傾向にある。また、ファーストフード店の安売り攻勢もあって低価格化が進み、来店人数は多くても売上げが伸びない状況となりつつある。
第3次産業全体の活動を主に数量面から捉える指数であり、「鉱工業生産指数の第3次産業版」と考えてよい。個々の数量データ(例:ガス業の場合は「ガス生産量」)から業種別の指数を作成し、これを95年時点の業種別付加価値額によってウエートづけし、全体の指数を作成している。
直近(本年4月)の第3次産業活動指数は、季節調整済前月比で3.6%低下した。運輸通信業の落ち込み(同11.7%低下)が大きく影響しているが、この分野の統計は、従来から4月に大きく減少する「クセ」がある。携帯電話への加入などは依然堅調であり、4月の結果をもって頭打ちとは判断していない。