行政改革推進委員会(委員長 大賀典雄副会長)/7月10日
政府は、昨年12月に閣議決定された「行政改革大綱」に基づいて、行政改革・規制改革の推進に取り組んでいるが、これらの諸課題について、石原伸晃行政改革担当・規制改革担当大臣と経団連幹部が意見交換した。
特殊法人等改革:
8月中には事業別の見直し方針案を明らかにし、年内に整理合理化計画を取りまとめる予定である。
道路4公団のうち、特に本四公団は収支率、償還計画の面で問題が多く、借入金返済は非常に厳しい。国民が希望する料金の値下げ・将来の無料開放を実現するには、財投からの借入金で不採算路線を作り続けることはできない。
政策金融機関の問題点は9法人の貸出残高合計で日本全体の20%強を占めるというボリュームの大きさにある。前回の特殊法人改革で統廃合を進めたが、十分機能していないものもある。今回はその反省も踏まえ、政策金融機関全般を見直したい。
施設設備を所有する法人は、国からの補助金を使って事業運営していて、地元の民宿やホテルを圧迫している。
公務員制度改革:
6月29日に行政改革推進本部(本部長:小泉総理)が決定した「基本設計」によって改革のグランドデザインはできた。官民の人材交流を促進し民間の優秀な人材を登用することや、能力・実績主義を導入し公務員の現場にも健全な競争原理を働かせることによって、公務員が国家、国民のために奉仕し崇高な目的と理想を実現する新たな公務員制度を目指したい。年内に「公務員制度改革大綱(仮称)」を策定する。
行政委託型公益法人等改革:
まず、国から検査・検定等の委託あるいは補助金を受けて活動する行政委託型の公益法人の見直しを進め、年度内に改革の実施計画を取りまとめる。また、明治31年の民法制定以来の抜本的な見直しにも努める。
総合規制改革会議が選定した重点検討6分野は、これまで社会的規制の分野として、市場原理になじまない非収益的なサービスと位置づけられてきた。この分野の改革が進めば、新しい産業の創造や雇用の吸収が期待される。抵抗も強いが、7月中に中間的な取りまとめ案を公表したい。