東亜経済人会議日本委員会(委員長 香西昭夫氏)/7月23日
東亜経済人会議日本委員会では2001年度定時総会を開催し、2000年度の事業報告・収支決算と役員改選、2001年度事業計画・収支予算を審議し、承認した。また、議案審議に先立ち、国際大学の信田智人助教授から「ブッシュ政権の対アジア政策と日台関係」について説明をきいた。
米国は同盟国重視の外交政策とともに、欧州からアジアへ政策の重点をシフトさせている。これに伴い、米国の対アジア政策は大きく変わりつつあり、日米同盟関係は強化される方向にある。それを象徴的に表したのが6月30日の日米首脳会談であった。小泉首相との初会談の場所をキャンプデービッドに設定したのは、
ブッシュ政権内では、ラムズフェルド国防長官、ウォルフォウィッツ国防副長官が中国や北朝鮮に対する強硬派であり、パウエル国務長官、アーミテージ国務副長官らが現実派である。そして、両派のバランサーの役割を果たすのがチェイニー副大統領であると見られている。
台湾への武器供与問題をめぐり、ブッシュ政権は、中国の面子を立ててイージス艦の供与を見送る一方、それ以外の台湾の要望はほぼ全面的に容れる形で決着させた。これはワシントンでは高く評価されている。
日米同盟関係が強化されるとの見通しから、台湾の日本への期待は高まりつつある。特に、李登輝前総統の訪日が実現したことで、日本は台湾を見捨てないだろうとの見方が一層大きくなっている。
台湾では今年12月に立法院の委員選挙が行われる。今年2月には、与党民進党の議席は伸びないとの予測があったが、6月に民進党関係者にきいたところでは、225議席のうち90議席程度を獲得できるとのことだった。その最大の理由は、李登輝前総統が陳水扁総統への協力を明確に表明していることと、国民党の連戦主席が中国との「邦連制」を打ち出したことである。邦連制は「一国二政府」を意味することから、中国が猛反発しているほか、国民党内にも反対する委員がおり、選挙までに国民党が分裂するおそれもある。ただ、いずれにしても民進党は、どこかと連立政権を組まざるを得ず、今後しばらく台湾の内政から目が離せない状態が続くだろう。