経団連くりっぷ No.155 (2001年9月27日)

税制改正と法人税収

−法人税収は景気動向に左右される


近年、厳しい国際競争の中で企業の活力を維持していくために、大規模な法人税減税が続けられている。例えば、1998年度には、課税ベースの見直しと併せて法人税率を37.5%から34.5%に引き下げ3,500億円程度の減税を行い、1999年度には経済活性化のために法人税率を一挙に30%まで引き下げて2兆3,000億円を超える減税を行った。この結果、国税と地方税を併せた法人実効税率はほぼアメリカ並みの40.87%となった。

この減税により企業活力が高まり、経済情勢の好転もあって、企業収益は大きく上昇し、大規模な減税にもかかわらず、かえって法人税収は増加した。過去15年間の法人税収と企業収益(法人企業の経常利益)を対照するならば、法人税収は増減税とは無関係に企業収益の変動に沿って変化している。

今また景気の先行きが懸念される中で、平成14年度予算編成にあたり税収をいかに確保するかが論じられているが、法人税に関する限り、増税ではなく企業活力を高めるような制度改正こそが増収策として必要である。


企業収益・法人税収と税制改正


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