経団連くりっぷ No.157 (2001年10月25日)

メガワティ インドネシア大統領との朝食懇談会/9月27日

インドネシアはコミットメントを尊重し投資環境の整備を行う


経団連では、9月27日にインドネシアのメガワティ・スカルノプトゥリ大統領一行を迎え、朝食懇談会を開催した。席上、今井会長は、「日本企業がインドネシアでビジネスを展開する上では、日本企業が安心して投資できる環境整備が不可欠である。ASEANの要であるインドネシアの安定的発展は、アジア全体にとっても重要である」と発言した。懇談会には、インドネシア主要閣僚も出席し、活発な意見交換を行った。

  1. メガワティ大統領発言要旨
  2. メガワティ大統領

    インドネシアに対する日本の長年にわたる支援に、改めて深謝する。日本とインドネシアは、常に相互に信頼できるパートナーでありたいと願っている。
    諸外国からの投資を誘致するために、投資への制約要件を排除し、健全で透明性のある投資環境の整備を行いたい。具体的には、国内の政治の安定および治安の維持、地方自治拡大による投資家への負担の是正、労働問題への対応などに努める。そのほか、内外の投資家間の法的差別をなくし、外国投資家による本国送金の自由を確保するなど、投資を誘致するにふさわしい改革を行い、インドネシア経済を回復させたい。
    また、インドネシア政府は、国際的取引における国際標準を遵守する。コミットメントはコミットメントであり、誠意を持って尊重する。インドネシアは空虚な約束はしない。直面する課題を乗り越えるための決意をしっかり持ち、友人に対しては、誠実で真面目であることを約束する。


  3. 意見交換(要旨)
  4. 経団連側:
    ビジネスを行う大前提として、政治、社会の安定が不可欠である。
    ドロジャトゥン調整大臣:
    政治、社会の安定は、内閣の重要課題として認識している。2002年度予算案でも、社会的安定を重視した予算配分を行っている。

    経団連側:
    新規投資誘致のためにも、既存の大型投資案件の問題の早期解決を改めてお願いする。また、2003〜2004年に予測される電力不足への対応もお願いする。
    プルノモ エネルギー・鉱物資源大臣:
    電力不足問題は、政府としても認識しており、ジャワ島における電力需要を充足できるような緊急対応策を立てている。
    ラクサマナ国営企業担当大臣:
    大型投資案件の問題解決の大前提は、政治、社会の安定である。その上で、政府として、確固たるコミットメントに則り、可及的速やかに、この問題の解決に努める決意である。

    経団連側:
    地方分権に伴う許認可手続きの煩雑化が、投資の阻害要件となっている。
    テオ投資調整庁長官:
    政府としては投資家を重視し、既存投資の保護拡大を行いたい。地方自治に伴う問題は、政府も認識しており、現在、法律改正手続中である。

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