経団連くりっぷ No.157 (2001年10月25日)

ムベキ南アフリカ共和国大統領歓迎昼食会(経済5団体共催)/10月2日

南アとのパートナーシップ拡大に確かな手応え


経団連は、日本商工会議所、日経連、経済同友会、日本貿易会とともに、国賓として来日した南アフリカ共和国ムベキ大統領の歓迎昼食会を開催した。当日は、上島経団連副会長の歓迎挨拶に続き、ムベキ大統領から南アの対アフリカ政策と日本・南ア経済関係の緊密化に向けた期待を中心とした挨拶があった。

○ ムベキ大統領挨拶要旨

ムベキ大統領

  1. アフリカの繁栄に向けて
  2. 森前総理が今年1月、日本の現職総理として初めて南アを訪問し「新世紀のアフリカと日本」と題する対アフリカ政策を発表したことは、歴史的な出来事であった。また昨日、小泉総理からは、南アをアフリカ外交の要とする方針が表明され、日本の対アフリカ政策の一貫性を確認できた。南アとしても日本の期待に応えるために、グローバル経済の一員としてアフリカ大陸の繁栄に貢献できるよう努めたい。
    一方、民主主義、平和、安定、開かれた社会の実現のためには、アフリカ全体が協力し、自らできることは自らの力で解決する覚悟で問題解決にあたるべきだと考えている。そこで私は、アフリカ統一機構(OAU)を改組し、アフリカ連合(AU)を創設するとともに、新アフリカ・イニシアチブを推進して、アフリカ諸国を政治的、経済的に統一する試みに挑戦したい。まず、民主主義を基礎とする共通の法体系と政治システムを域内に導入し、次に経済統合を実現する方針である。

  3. 経済関係拡大のための市場開放策
  4. 南アには、豊富なビジネスチャンスとアフリカ大陸の玄関口としての優位性がある。わが国は市場開放政策を鋭意進めつつあり、これによりビジネスの障壁を排除し、積極的に日本からの直接投資を誘致したい。
    民間ベースの対話促進を目的として、今般、経団連サブサハラ地域委員会と南ア・日本経済協力委員会との間で開かれる「日本・南ア ビジネスフォーラム」は、両国経済関係の緊密化の契機となろう。われわれは、南アには不可能だと考えられていた政治の安定と民主化を実現したと自負している。経済分野でも発展を成し遂げるべく努力したい。日本企業にはその中心的な役割を担ってもらえるものと期待している。

  5. 連帯の精神でテロへの対応を
  6. 最後に、米国での同時多発テロには、全世界が協力して対処すべきである。連帯の精神により問題が解決されうることをテロリストに示す必要がある。その意味において、アパルトヘイト撤廃や1994年の民主化など、対話による人種融和を進めてきた南アの経験が役立ててもらえるものと考える。


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