経団連くりっぷ No.158 (2001年11月8日)

日本メキシコ経済委員会(委員長 川本信彦氏)/10月22日〜23日

第24回日本メキシコ経済協議会を開催

−「日墨自由貿易協定の早期締結を改めて求める」を採択


10月22日、23日の両日、経団連会館において、第24回日本メキシコ経済協議会を開催した。会議には、トーマス・ゴンザレス・サダ メキシコ国際企業連盟(COMCE)会長、デルベス経済大臣など、日墨双方から100名を超える参加者があった。今回の協議会でも、日墨自由貿易協定が主要テーマとなり、以下のような共同声明を採択した。

共同声明要約

  1. 経団連とメキシコ国際企業連盟(COMCE)は、2001年10月22日〜23日、東京・経団連会館において第24回日本メキシコ経済協議会を開催した。両代表団は日墨自由貿易協定(FTA)の早期締結を求めていくことを改めて確認した。

  2. 日墨FTAに関して双方代表団から、以下のような意義や重要性が強調された。

    1. 日墨FTAは、メキシコの天然資源と優秀な労働力、日本の産業資本と技術とを結び付け、双方の産業と経済をさらに発展させる契機となる。

    2. 日墨FTAは両国の連帯意識を生み出し、両国産業界の協力を推進し、日墨関係を一段と緊密かつ建設的なものにする。

    3. メキシコは米州におけるFTA先進国であり、北米、中南米、欧州の巨大なトライアングル市場の中心である。日墨FTAは、このトライアングル市場とアジア市場をつなぐ重要な手段となる。

  3. 日本側からは以下の意見が出された。

    1. NAFTA(北米自由貿易協定)やEUとのFTAの発効により、日本企業はそれらの諸国に比べ、関税面や入札評価の面でもハンディキャップを負い、不利な立場にある。対墨経済関係の縮小を強く懸念する。

    2. メキシコは日本企業にとり中南米の重要な生産拠点であり、ここでの競争で欧米企業に後れをとることは、日本企業の中長期的な中南米戦略にも大きな支障をきたす。日本国内の一部 産業を保護するために、日墨FTA交渉が先延ばしになり、ビジネス上のハンディキャップを負うことは一部産業のために大多数の産業が犠牲になることを意味し、国益上も問題が多い。

  4. 日墨両政府間で設置された「経済関係強化のための日墨共同研究会」が両国の消費者や生産者の便益を総合的に判断し、FTA締結に向けて建設的な提言を行うことを期待する。また、両国経済界としても、日墨FTAへの国民的な理解を醸成すべく、積極的に世論を喚起していく必要がある。

  5. なお、NAFTA向けマキラドーラ制度の代替措置のPROSEC優遇税制について、日本側から以下の要望がなされた。
    PROSECは、対象品目や適用関税率の突然の変更など問題があり、メキシコ政府に、PROSEC関連法の安定性、予見性の確保や、対象品目の追加、同優遇税制の恒久化を要望する。また、暫定補完措置のレグラオクターバの有効期限についても、現在の6ヵ月から1年に延長することも必要である。


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