経済政策委員会企画部会・財政制度委員会企画部会 合同会合(司会 摩尼 経済政策委員会企画部会長)/10月25日
経済財政諮問会議が本年6月に公表した「今後の経済財政運営および経済社会の構造改革に関する基本方針」(いわゆる骨太の方針)では、中長期的な経済見通しの下、目標とすべきプライマリーバランス、財政収支などのビジョンを示すべきとされた。これを受けて現在、内閣府で「中期経済財政計画」の策定に向けた取組みが行われている。経済政策委員会企画部会と財政制度委員会企画部会は合同会合を開催し、内閣府の枝廣直幹参事官より、現時点での作業状況などをきいた。
過去の経済計画を振り返ると、大きく分けて大平内閣の「新経済社会7ヵ年計画」までは、財政に関する詳細な記述があったが、その後、財政に関する記述は大きく変容した。小渕内閣の「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」では、財政に関する記述はほとんど見られない。
しかし、中期的な財政運営という視点が欠けた結果、1990年代には経済安定化のための財政出動に過度に頼った政策運営が行われ、財政事情が大幅に悪化した。
こうした事態を繰り返さないために、今回は中期的な経済と財政運営のあり方をきちんと議論し、一定の拘束力のある経済財政計画を策定する必要がある。当然ながら、今回の計画は閣議決定され、責任ある経済財政運営の基本的考え方を国民に示すこととなろう。
但し、具体的な数値目標には一定の弾力性を持たせる必要もある。数値目標によって実際の財政運営を強く拘束すれば、計画自体が破綻するおそれがあるからだ。従って、中期計画において、毎年度の歳出削減幅まで踏み込むかどうかは微妙な問題である。あるいは「歳出の上限額」を示すという考え方もあるかもしれない。
中期計画で展望する期間については、今後の議論を待つ必要があるが、諸外国の例を踏まえれば、3〜10年程度となろう。但し、向こう5年間ではプライマリーバランス黒字を達成する姿が示せないだろう。なお、計画は毎年見直しを行う予定としている。
中期計画の策定に際しては、経済財政のフレーム(例:公共投資の対GDP比、社会保障負担、租税負担率など)を明らかにするため、さまざまな政策・制度の検討が必要となる。具体的には、