アメリカ委員会(米国政治経済動向に関するセミナー)/1月23日
アメリカ委員会では、米国のPowell, Goldstein, Frazer & Murphy 法律事務所よりマイケル・ファイン弁護士を招き、米国政治経済動向に関するセミナーを開催した。
9月11日で全てが変わったといわれるが、米国の国内政策や通商政策に大きな変化は見られない。他方、対外政策は変化し、安全保障がより重視されている。具体的には、
ブッシュ政権は、通商政策の分野で、ドーハ閣僚会議における新ラウンドの立ち上げ決定、TPA(通商促進権限)の下院通過、ヨルダンとのFTA(自由貿易協定)締結等ある程度の成果をあげている。他方、今後数ヵ月、ホワイトハウスおよび議会が対処すべき課題としては以下の3点があげられる。
第1に、TPAの成立である。TPAは、昨年12月に1票差で下院を通過した。上院でも可決されると見る識者も多いが、今後の審議の行方は未だ不明瞭である。TPAがなくとも実質的には大きな影響を与えないだろうが、交渉相手国からすれば、行政府に交渉権限がなければ譲歩は困難となる。
第2に、FSC(外国販売会社)制度である。WTOは、同制度は輸出補助金にあたり、WTO協定違反と認定したため、EUは制裁発動も視野に、米国に早急な対応を迫っている。
第3に、通商法201条に基づくセーフガードの発動の是非である。ブッシュ大統領は、鉄鋼業界やその労組よりセーフガードの発動を求められている。中間選挙対策もあり、関税率の引き上げ等、何らかの措置がとられることになろう。
日米関係は良好で、その重要性は増している。ブッシュ政権の対日政策の特徴として、