経団連くりっぷ No.165 (2002年2月28日)

大木環境大臣との懇談会/2月14日

温暖化対策等をめぐり大木環境大臣と懇談


大木環境大臣はじめ環境省幹部を招き懇談会を開催した。経団連側からは今井会長、山本環境安全委員会共同委員長、秋元資源・エネルギー対策委員長らが出席して、温暖化対策、土壌汚染対策、廃棄物対策等をめぐり懇談した。

  1. 大木環境大臣発言要旨
    1. 地球環境問題は地球全体の問題であり、全世界が参加できる体制をつくっていくべきである。米国の京都議定書離脱宣言の後、復帰への働きかけを行ってきたが、近く発表されるとみられる米国の温暖化対策をしっかり見て、話し合いを継続する。

    2. 今年はまず、京都議定書批准に向けた国内手続きと法整備を進める。また8月にはヨハネスブルク・サミットも行われるので、これらを国際的、国内的な環境政策の推進のモメンタムとしたい。

    3. 地方のレベルでも、ゴミ処理をはじめ、環境問題は重要な課題である。環境庁から環境省になり、関与も直接的になっている。

  2. 今井会長発言要旨
    1. 温暖化対策は世界各国が一致協力して初めて実効性があがるものであり、米国や途上国が参加できる国際的枠組みを構築する必要がある。米国の温暖化対策も固まりつつあるので、日米政府間の話し合いを一段と強化すべきである。

    2. 民生・交通部門のCO2排出量は伸びつづけている。産業界としても、これを抑えるための技術開発に全力を挙げるが、京都議定書の6%削減目標を達成するためには、ブレークスルーとなる技術が必要である。

    3. 京都議定書の遵守規定に法的拘束力がかかることについては、問題が多いので、将来これが盛り込まれることのないよう、議定書を離脱する覚悟を持って国際交渉にあたっていただきたい。

  3. 意見交換要旨
  4. 山本委員長:
    2月4日の総理の施政方針演説では、温暖化対策については経済界の創意工夫を生かし、環境と経済の両立を目指すことが表明された。産業界の対策は自主的取組みを基本とすべきである。

    秋元委員長:
    日本としては米国との協力を最優先とし、京都議定書の性急な批准には慎重であるべきではないか。温暖化対策としては原子力利用を国策として推進すべきである。

    河内大気・水質等タスクフォース座長:
    今国会に提出予定の土壌汚染対策法案は全体として評価できる。しかし基金の造成には産業界は協力できない。個々の汚染と全く因果関係のない第三者が対策費用を負担することになり、不合理である。

    岡澤地球環境局長(環境省):
    13日に地球温暖化対策推進本部が開催され、京都議定書の締結に向けたスケジュール、国内対策の基本的方針、地球温暖化対策の国際的連携を定めた「京都議定書の締結に向けた今後の方針」が決定された。


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