経団連くりっぷ No.165 (2002年2月28日)

輸送委員会(共同委員長 常盤文克氏、三浦 昭氏)

「輸出入・港湾諸手続のワンストップサービスの実現に向けて」を関係府省に提示


経団連は、輸出入・港湾諸手続のワンストップサービスに関する取組みの一環として、2001年6月、政府のIT戦略本部において岸副会長より、全ての輸出入・港湾諸手続きを統合して、1回の入力・送信で複数の申請を可能とするシステムを構築するよう提案した。これを受け行政側の取組みが進むなか、経団連では、民間の実務家で構成される「輸出入・港湾諸手続のワンストップサービス打合せ会」を設置し、システム構築に向けた利用者の意見集約に取り組んできた。その検討結果を I のとおりとりまとめ、1月24日に関係府省に提出したところ、1月31日に開催されたIT戦略本部で、経団連提案を反映した形で政府の対応が II のとおり示されたので、以下に紹介する。

  1. 経団連提案「輸出入・港湾諸手続のワンストップサービスの実現に向けて」(要旨)
    1. システムの構築に向けては、政府としての基本方針を定め、その上で関係府省がそれに合致した対応を行うようにすること。

    2. 輸出入・港湾諸手続のBPR(業務改革)を進める観点から、電子化に先立ち、全ての申請手続について、ゼロベースで見直しを行うこと。具体的には、全ての関連手続を対象として、申請の必要性が失われたもの、申請の中で削除できる項目、さらに省庁間に共通する項目の標準化、統一化できるものを抽出した上で、申請手続を徹底的に削減・簡素化すること。

    3. 1回のログイン・ログオフの間に全ての必要な情報を入力、1回の送信により、全ての申請手続が完了する、真のシングルウィンドウ・ワンインプット・システムを構築すること。

    4. 関係府省間で十分な連携が図られるシステムとすること。とりわけ、Sea-NACCSと港湾EDIの間では、完全な双方向・相互接続が実現されること。また、港湾管理者たる地方公共団体が主体的に本システムに参画するよう促すこと。

    5. システムの構築に当たっては、国際標準に準拠したものとすること。例えば、外国で作成されたデータがそのまま使用できるようにすること。また、UN/EDIFACT等の国際標準フォーマットへの統一を考慮すること。

    6. 今回の措置を通じて、利用者の新たなコスト負担が生じないようにすること。また、将来的に、輸出入・港湾諸手続のうち純粋に行政手続となる部分については、利用者側のコスト負担がなくなるよう取り組むこと。さらに、今後独立行政法人化される通関情報処理センター以外にも、行政手続周辺の付随サービス業務に民間事業者が参入し、相互に競争できる環境を整備すべく、必要な対応を検討すること。

    7. システムの構築に向け設置された政府の「輸出入・港湾手続関連府省連絡会議」等において、継続的に民間事業者の意見を聴取し、利用者にとって利便性の高いものにすること。

    8. 港湾物流の効率化を図る観点から、現行の予備審査制度、搬入前申告制度、簡易申告制度を拡充すること。

  2. 政府の対応(1月31日、IT戦略本部)
  3. 輸出入・港湾関連手続のワンストップサービス(シングルウィンドウ化) 輸出入・港湾関連手続のシングルウィンドウ化(骨格)

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