経団連くりっぷ No.165 (2002年2月28日)

イリエスク ルーマニア大統領歓迎昼食会/2月14日

イリエスク ルーマニア大統領を迎えて歓迎昼食会を開催


去る2月14日、経団連は公式実務訪問として来日中のイオン・イリエスク ルーマニア大統領を迎え、日本商工会議所、日本経営者連盟、経済同友会、日本貿易会、ロシア東欧貿易会ならびに日本ルーマニア委員会との共催で歓迎昼食会を開催した。以下はイリエスク大統領挨拶の概要である。

イリエスク 大統領

○ イリエスク大統領挨拶要旨

本年は日本とルーマニアの外交関係が樹立されてからちょうど100周年となる記念すべき年である。日本との貿易関係は長年にわたって発展・強化され、日本はルーマニアの経済発展に大きな役割を果たしてきた。貿易面に加え、多くのルーマニア人技術者、労働者が日本で研修を受けるなど、人的な関係も強化されてきた。日本からルーマニアへの技術移転により精密加工、電気通信などの高付加価値産業が発展するなど、日本とルーマニアの関係は深い。

共産体制の崩壊以降、ルーマニアと日本の貿易は落ち込んだが、これはルーマニア経済が抱えるさまざまな問題を反映したものであった。その後ルーマニアは経済構造改革と国際競争力の強化に取組み、昨年度は5%成長を実現した。今後は日本市場やアジア市場への取組みを強化したいと考えており、日本企業との協力に期待している。

ルーマニアは対外直接投資の誘致にも努力している。物流インフラ改善のため日本からの借款でコンスタンツァ港にコンテナターミナルを建設したほか、同港とブカレストを結ぶ鉄道も整備されつつある。また、情報通信インフラの改善のため、今後3年間で5億ドルを投資する予定である。さらに、対外直接投資誘致のために新たに法律を制定し、行政手続を簡素化した。ルーマニアには高度な訓練を受けた労働者が多く、天然資源が豊富であるだけでなく、中東欧地域においてポーランドに次ぐ規模の市場でもある。ルーマニアの対外貿易の70%をEUが占めているが、EU加盟交渉は順調に進展しており、EU市場へのアクセスも容易である。日本からルーマニアへの一層の投資を歓迎する。

さらに、ルーマニアは経済発展の重要な要素として、観光の振興にも力を入れている。豊かな文化と伝統に恵まれたルーマニアは四季を通じて豊かな観光資源に恵まれており、日本からの観光客を歓迎する。

ルーマニアと日本の双方に有意義な関係を構築するため、日本経済界からの助言を歓迎する。


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