東海地方経済懇談会/2月22日
経団連・中部経済連合会(中経連)・東海商工会議所連合会共催の標記懇談会が名古屋市において開催された。地元経済人約150名の参加のもと、経団連側は今井会長、香西・上島・西室の各副会長、高原評議員会副議長が出席し、東海経済界首脳と最近の経済動向や中部の主要プロジェクト等について意見交換した。また、懇談会に先立ち、今井会長および太田中経連会長らは、三洋電機岐阜事業所「ソーラーアーク」を訪問し、太陽光発電によるクリーンエネルギーの普及促進に向けた取組み等を視察した。
東海3県の景気は、全国に比べれば、まだ明るい要素もあるが、住宅投資や個人費が低調に推移し、全体では悪化の様相を呈している。政府が月内に取りまとめる「総合的なデフレ対策」の早期実施に期待をしているが、企業としても
当地域の経済状況は、不況下においても全国的には、比較的良好であったが、鉱工業生産、機械受注、輸出、国内自動車販売がマイナスとなり、大変厳しい状況である。
雇用については、職種別、年齢別のミスマッチが発生しており、実践的な能力開発プログラムがますます必要である。中長期的には、新しい産業にマッチした人づくりが大切である。
中小企業金融については、全般的に融資先の選別が厳しくなっており、運転資金の調達に苦労している企業が多い。
税制改革については、要望していた項目が部分的に盛り込まれた。今後の抜本的な税制改正に期待するが、これには中小企業支援の観点が不可欠である。
中経連創立50周年を記念して取りまとめた長期ビジョンについて紹介する。
当ビジョンは、2005年日本国際博覧会、中部国際空港のナショナルプロジェクトをベースに、優れた産業技術の集積や地理的優位性を活かし、
首都機能移転については、一部に凍結論、先送り論があるが、行財政改革の一環として、早期実現が必要である。移転先としては、国民の理解を得やすい中部が良いのではないか。
観光は、経済効果が大きく、21世紀の中部の牽引車となるであろうが、国内観光には問題点がある。すなわち、外国人客が少ないこと、高価格構造、新しいスタイルであるグループ旅行や体験・学習活動に対応していないことである。
従って、第1に、ホテルのサービスを新しいスタイルの観光に耐えるよう体質改善を図る。第2には、産業施設を観光資源とする「産業観光」、街道をたどることで文化交流を図る「街道観光」、都市に新しい魅力を創造する「都市観光」といった、新しい切り口の観光を打ち出すことが必要である。その際には、高速道路等のインフラ整備も必要となってくる。
「愛・地球博」(2005年日本国際博覧会)については、昨年12月に基本計画が固まり、商工会議所としても、多くの企業の参加が得られるよう、博覧会協会と一体となって働きかけていく。寄付募集活動については、経済界を挙げての支援をお願いしたい。
中部国際空港については、建設の本格化を控え、関連アクセスの整備を含め、今後も国等へ予算確保を強く要望する。
環境問題では、企業をメンバーとする「環境パートナーシップCLUB(EPOC)」などにより、循環型社会の構築を目指す。
ITに関連して、2004年には高度道路交通システム(ITS)の世界会議が愛知で開催される。同会議を成功に導き、世界に先駆けてITSを整備していきたい。
西室副会長より医療制度改革の評価と今後の課題、上島副会長よりアジア諸国との経済交流拡充への取組みについて説明があった。さらに香西副会長より地域の自立と産業の活性化、高原評議員会副議長より新事業・新産業の創出に向けた取組みについて発言があった。
最後に今井会長より、