経団連くりっぷ No.167 (2002年3月28日)

ギリシャ共和国シミティス首相歓迎昼食会/3月5日

日欧・日ギリシャ関係の拡大強化を期待


3月5日、経団連、日本貿易会、日本商工会議所、日経連、経済同友会の経済5団体は公賓として来日中のギリシャ共和国シミティス首相を迎え、歓迎昼食会を開催した。

シミティス首相

○ シミティス首相挨拶要旨

  1. 日EU関係について
  2. 経済統合を通じて国際競争力を強化するため、欧州各国は

    1. 電気通信、エネルギー、運輸、労働、金融市場など、多くの分野における規制緩和と構造改革を通じた経済成長と雇用の創出、
    2. 教育や人材育成への投資や生涯教育の推進を通じてインターネットの普及を目指すe-ヨーロッパの推進、
    等を進めている。今後も、環境に配慮した社会、経済、政治等の改革に取り組んでゆく。
    EU拡大も順調に進んでいる。EU拡大により、5億の消費者を有し、通貨、関税、行政手続等が統一された市場が誕生するが、これは欧州企業だけでなく、日本企業にとっても大きな恩恵となろう。また、EU拡大はEU内外における平和と安全にも貢献しよう。EUでは拡大に向けた作業に平行して、新たなEU像を検討する評議会が設置されたところである。
    日本と欧州はともに長い歴史を有し、民主主義、自由貿易、平和と安全など多くの価値観を共有している。日米欧3極の中での日欧関係を、政治経済の両面で拡大強化する余地は大きい。

  3. 日ギリシャ関係について
  4. ギリシャは1981年にEUに加盟し、2001年にはEMU(欧州経済通貨同盟)へ参加した。高水準の対ギリシャ直接投資を背景にギリシャはEU平均を大きく上回る経済成長を実現しており、ユーロも順調に導入された。ギリシャは国際競争力を強化するため、構造改革の一環として市場の自由化、行政の簡素化、税制改革等を積極的にすすめている。また、安定した政治経済、豊富で高度の教育を受けた労働力、高水準のインフラ等に恵まれたギリシャは、外国企業にとっても魅力ある投資先である。
    さらにギリシャは、バルカン諸国に対する最大の投資国であり、バルカン地域の安定に大きく貢献するだけでなく、経済面でもこれら諸国の経済改革、雇用創出の促進等を積極的に支援している。ギリシャはこれら諸国の文化、精神、経済システムを熟知しており、バルカン市場への参入を希望する企業の立地拠点としても最適である。

  5. 日本、ギリシャ、EUの一層の関係強化を
  6. 経済のグローバル化が急速に進展する中、平和と安定の確保、経済関係の強化、文化交流など多くの面で日本、ギリシャ、EUの関係強化の必要性が増している。日本とともにギリシャおよびEUとの関係を一層強化したい。


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