経団連くりっぷ No.167 (2002年3月28日)

アメリカ委員会/3月13日

ブッシュ政権は日米関係を重視している


アメリカ委員会では、外務省の小田部陽一総合外交政策局審議官を招き、ブッシュ大統領の訪日等、最近の日米関係について話をきくとともに懇談した。

○ 小田部総合外交政策局審議官説明要旨

  1. 日米首脳会談の模様
  2. 2月18日に、小泉総理大臣とブッシュ大統領の間で4回目の日米首脳会談が行われた。今回のアジア歴訪の中で、大統領が日本を初めに訪問したことは、日米関係を重視しているあらわれと言えよう。今回の会談では、主に以下の二点について話し合いが行われた。
    第1に、テロ撲滅に向けた戦いについてである。大統領は就任時から同盟国を重視しており、同時多発テロ後はそれらの国々のテロ撲滅に向けた対応を注視していた。その中で、日本が迅速に目に見える協力を行ったことについて、大統領より感謝の言葉が述べられた。他方、テロ撲滅に向けた活動はいまだ終了しておらず、今後も協力が重要であることにつき認識の一致があった。
    第2に、日米経済の動向についてである。総理から、日本経済再生に向けて改革を断行する決意が述べられ、他方、大統領からは、米国の外交戦略の観点からも日本経済が強固であることが重要であり、改革を実現することに関して総理に全幅の信頼を置いているとの発言があった。
    また、上記二点以外の分野についても話し合いがなされ、地球環境問題については、総理より、米国の提案を評価する旨、及び米国の一層の取組みを期待し、緊密に協議していきたい旨を述べた。また、環境保護と経済成長・開発を両立させることで意見が一致した。総じて、世界経済の発展に大きな責任を有する両国の首脳により、大変意義深い会談が行われたと考えている。

  3. 日米新経済協議・官民会議の動向
  4. 昨年6月の首脳会談において「成長のための日米経済パートナーシップ」の設置が発表された。これまでにも日米間には、MOSS協議、構造問題協議(SII)、包括経済協議等、摩擦解消に向けた個別問題に関する協議の枠組みは存在した。しかし、新経済協議はそれらとは異なり、アジア太平洋や世界レベルの課題をふまえつつ、大局的に日米経済政策のあり方を考える目的で立ち上げられた。
    新経済協議は、次官級経済対話、官民会議、規制改革及び競争政策イニシアティブ、財政金融対話、投資イニシアティブ、貿易フォーラムで構成される。官民会議の目的は、両国の民間部門の代表が専門知識、所見及び提言を含むインプットを両政府に対して行うことである。先日、第一回会合の議題及び民間参加者が決定し、今春、東京で開催される見通しである。

  5. 今後の日米経済関係
  6. 現在、WTO新ラウンド交渉、アフガン復興問題、開発と環境問題等、日米が協力して対処すべき課題は多い。両国の協力の重要性は、さらに増すこととなろう。


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