経営タイムス No.2637 (2002年7月11日)

日本経団連首脳・農水省幹部が懇談

−「食」と「農」などで意見交換


 日本経団連(奥田碩会長)と農林水産省との懇談会が8日朝、東京・永田町のキャピトル東急ホテルで開催された。会合には、日本経団連から奥田会長はじめ首脳が、農林水産省からは、武部勤大臣、遠藤武彦副大臣、野間赳副大臣はじめ幹部が出席した。

 冒頭あいさつで奥田会長は、「農業の構造改革を急ぐことが、農政の基本的な役割と考える。消費者や食品産業のニーズに対応できる仕組みづくりが何よりも大事と思う」と述べた。

 これを受け、武部大臣は、BSE問題や食品虚偽表示問題に関連して、「食」と「農」に関するさまざまな課題が顕在化するなか、「国民の信頼回復のため、農林水産政策の抜本的な改革を進める設計図として『食』と『農』の再生プランをまとめた。忌憚のない意見を伺いたい」とあいさつ。

 懇談ではまず、日本経団連側から、農村荒廃、教育荒廃の中で、農業そのものの重要性だけでなく教育的観点から、「国民皆農」を進めるべきとの意見があった。こうした取り組みのなかから、将来の農業の担い手も出てくるのではないかとの説明があった。

 また、「食」と「農」の再生プランについて評価するとともに、「法人化の推進など規制改革を進め、農業の生産性を向上させてほしい」とする意見が出された。

 農林水産省側からは、「国民皆農」に賛同する意見や種苗の知的財産権の整備はじめグローバル化に対応するための構造改革の早期推進に注力したいとする考えが示された。

 最後に、日本経団連側から、「農協のあり方」についても検討する必要があるのではないかとの発言があったのに対し、農水省側は「大きな問題であり、別の機会を設けて説明、検討したい」と応えた。


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