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経営タイムス No.2659 (2003年1月14日)

日本経団連が評議員会開催


日本経団連(奥田碩会長)は12月24日、東京・大手町の経団連会館で評議員会を開催した。来賓として平沼赳夫経済産業大臣、塩川正十郎財務大臣、坂口力厚生労働大臣、竹中平蔵金融担当・経済財政政策担当大臣が出席。武大偉駐日中華人民共和国特命全権大使が来賓講演を行った。

冒頭、奥田会長が「わが国経済が長期的な低迷を脱し、自律的な回復を実現するには、企業の活性化と個人資産の活用が鍵となる。日本経団連の使命は時代の変化に適応した経済システムを構築することであり、税制改革、規制緩和、産業科学技術立国の実現に特に力を入れて取り組んでいる」とあいさつ。

続いて、来賓あいさつではまず、平沼大臣が、「平成15年度予算は厳しいがメリハリの効いた予算になっている。産業競争力を高めるという目標が反映されている」と強調。「2003年は厳しい年になるだろうが、経済界の持つ潜在力を発揮すれば日本の未来は明るいものになるだろう」と述べた。
坂口大臣は今後の医療制度にふれ、「国民が安心できる制度をどう作り上げるかが大事になってくる」と指摘。「雇用も厳しい状況になることが予想されるが、各都道府県でもハローワークと同様の機能を持ち、地域にあった雇用のあり方を考えるべきである」とした。
塩川大臣は、「規制緩和と予算の効率的な執行が必要であり、贈与税の減税や株式市場の活性化によって個人資産が有効に使われるように働きかけるべきである」と強調。「証券会社はもっとサービスに力を入れ、実業界は株式の所有者が安心して売買できる、魅力的な運営に努力してほしい」と期待を寄せた。
竹中大臣は「銀行・企業はデフレと不良債権問題意識を共有して前向きにいろいろな努力をする時期に来ている」とし、「来年は小泉内閣の真価が問われるときである。財政健全化や規制改革の推進で具体的な改革成果を見せていかなければならない」と意欲を示した。

来賓あいさつの後、武大使が「日中関係の将来について―国交正常化30周年を踏まえて―」と題して講演を行った。
その中で武大使は、中国経済の急速な発展に伴い日本経済界の中国への投資意欲は一段と高まっており、2002年も2000社余りの企業が進出したことを報告。「日本と中国の貿易収支は1000億米ドルに達する見通しだがこれは互いの努力の賜物であり、今後の経済協力にはまだ多大な潜在力がある」と指摘。さらに、「日本経済界は中国の発展をチャンスと捉え投資してほしい。両国の発展はアジアと世界、ひいては人類の平和に重要なことである」と強調した。


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