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経営タイムス No.2666 (2003年3月6日)

ヴェルホフスタット・ベルギー首相が日本経団連を訪問

−奥田会長と意見交換/経済改革の成果を報告、日本からの投資促進要望


日本経団連の奥田碩会長は2月26日、東京・大手町の経団連会館でギー・ヴェルホフスタット・ベルギー首相一行の訪問を受けた。2年ぶりに再会した奥田会長とヴェルホフスタット首相は、ベルギーの経済改革の進捗状況や日本のベルギーへの投資、日本・ベルギー2国間の社会保障協定、単一通貨ユーロ導入の影響などについて懇談した。

懇談の冒頭、ヴェルホフスタット首相は、2年前の来日で奥田会長(当時・日経連会長)と懇談した際、ベルギー経済の改革を約束したと述べたうえで、「今回はそのとき約束した経済改革の成果について報告にきた」とあいさつ。奥田会長の「ベルギー経済を改革するという公約の達成度は何点か」との問いに対してヴェルホフスタット首相は、「100点満点で80点」と自己採点した。

引き続いてヴェルホフスタット首相は、ベルギーの経済改革について、法人税の引き下げ、個人所得税の引き下げなどにより消費を喚起して経済回復をはかり、厳しい経済情勢下にもかかわらず財政再建に成功し黒字に転換したと、その成果を報告した。

また、今回の訪日の主な目的であるベルギーへの投資促進に関連して、02年上半期におけるベルギーへの海外投資の5%は日本からの投資であると述べた。5%という数字の評価について奥田会長から問われたヴェルホフスタット首相は、「満足できる数字」と見解を示したうえで、「ベルギーへの一層の投資をお願いしたい」と要望した。

さらに、昨年9月から交渉が始まった、日本・ベルギー2国間社会保障協定についても言及し、「できれば今年10月の交渉で最終決着して合意し、来年中に調印したい」との期待感を表明。そのうえで、同協定の締結により、日本・ベルギーの2国間関係がより一層強化・進展するとの考えを示した。

単一通貨「ユーロ」が導入されたことについては、「その経済的効果は計り知れない」と指摘。「ユーロの導入によりEU圏が一つの市場としてさらに強く結びつくだろう」と語った。

ヴェルホフスタット首相の話を受けて奥田会長は、ヴェルホフスタット首相のリーダーシップによって、ベルギーの経済改革が着実に進んでいることを高く評価するとともに、「今後も経済改革を進め、ベルギー経済のさらなる発展を期待している」とエールを送った。


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