[ 日本経団連 ] [ 機関誌/出版物 ] [ 経営タイムス ]

経営タイムス No.2690 (2003年9月4日)

日本経団連が03年3月卒新規学卒者決定初任給調査

−凍結企業が9割越す/大学卒全産業平均伸び率、0.1%


日本経団連が2日に発表した「2003年3月卒新規学卒者決定初任給調査結果」<PDF>によると、大学卒初任給の全産業平均の伸び率は昨年と同じ0.1%と低い水準であることや、初任給を凍結した企業が9割を超え、この項目の調査開始以降最高となったことが明らかになった。

1.初任給水準(全産業)

全産業の初任給水準
2003年の初任給水準は、大学院卒事務系22万2146円(対前年比上昇率0.0%)、大学卒事務系20万2330円(同0.1%)、高専卒技術系17万8242円(同0.0%)、短大卒事務系16万8941円(同0.0%)、高校卒事務系15万8339円(同0.1%)、高校卒現業系16万431円(同0.0%)と、すべての学歴で低い伸び率になっている(図表参照)。


2.初任給格差

(1)産業間格差

大学卒事務系では「印刷及び出版業」(22万7394円)が最も高く、次いで「化学・ゴム」(20万8979円)、「その他製造業」(20万8359円)の順となっている。
一方、最低は「金融・保険業」(17万8755円)であり、「電力・ガス業」(19万3954円)、「卸売・小売業」(19万9660円)も低位にある。

(2)規模間格差

大学院卒事務系では100〜299人規模(22万4527円)、大学卒事務系では300〜499人規模(20万8109円)、短大卒事務系と高校卒事務系では100人未満規模(17万7918円、16万2350円)、高校卒現業系では100〜299人規模(16万4851円)が、それぞれ最も高くなっている。
また、従業員数3000人以上の企業の各学歴初任給を100.0とした規模間格差では、大学院卒事務系の500〜999人と1000〜2999人、100人未満、大学卒事務系と短大卒事務系、高校卒事務系の1000〜2999人規模で100.0を下回っているが、高校卒現業系ではすべての規模で100.0以上となっている。

3.初任給の決定状況

「前年の初任給のまま据え置いた(凍結)」と回答した企業が91.4%(前年81.1%)と9割を超え、この項目の調査を始めた1970年以降で最高となったうえ、99年から5年連続で5割を上回っている。
一方、「求人賃金として前年の初任給を示し、2003年の初任給は引き上げた」企業は5.2%(同12.6%)、「求人賃金として前年の初任給より高いものを示した」企業は1.3%(同3.0%)となっている。

4.初任給水準についての評価

自社の初任給水準について、「現在の労働力需給関係からみて、ほぼ妥当」とする企業が82.4%で最も多いほか、「在籍従業員に比べやや高い」「世間相場と比較してやや低い」はともに7.5%となっている。
規模別では、「ほぼ妥当」が各規模の70〜80%を占め、なかでも3000人以上規模では89.6%と最も高い結果となった。

◇ ◇ ◇

同調査は今後の初任給対策の参考資料として1952年から開始したもの。今回は、日本経団連会員企業および東京経営者協会会員企業2058社が対象、回答社数は638社(有効回答率31.0%)。


日本語のトップページ