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経営タイムス No.2700 (2003年11月20日)

日中産業シンポジウム開く

−日中ビジネス、更なる発展への方策探る


日本経団連(奥田碩会長)と中国企業連合会(陳錦華会長)は11日、東京・丸の内の日本工業倶楽部会館で、第8回日中産業シンポジウムを開催した。同シンポジウムは毎年、両国で交互に開催しているもので、今年のテーマは「日中ビジネスの更なる発展への課題と方策――リスクマネジメントと新たなアライアンスの構築」。日中の企業から約160名が参加し、両国企業の協力・相互発展のあり方を探った。

冒頭のあいさつで奥田会長は、経済における相互依存関係を強めている日中両国が共に繁栄していくwin&winの関係構築や、両国がイニシアチブをとる東アジア自由経済圏形成の必要性を強調。その上で今回のシンポジウムのテーマに関し、「現場の実態を経営者が熟知することがリスク管理の出発点」との考えを示すとともに、アライアンスについては、「日中の企業が互いの強みを活かして弱みを補う、対等で相互補完的な提携・協力関係が模索されている」と指摘。そのために、「提携企業間の相互信頼と尊敬をベースとする友好関係がなければならない」と語った。

次いで、中国企業連合会の陳会長があいさつ。グローバル化が進み、国を超えた企業の提携・相互依存度が増すと、リスク対処にも両国企業の合作メカニズムが必要になるとの考えを述べた。さらに、陳会長は投資環境が改善され、特許技術や知的所有権保護に注力しつつある中国と、経済構造改善の時期にあり、産業発展の空間を海外に積極的に求めている日本の企業とが、「より深い次元、より高い分野、より広い範囲を対象とした提携を進めるよう努力すべきだ」と呼びかけた。

パネルディスカッション第1部では、大橋洋治・全日本空輸社長、瀬戸雄三・アサヒビール相談役、王基銘・中国石油化工副董事長・総裁、劉福春・中国糧油食品総裁のパネリストが、福川伸次・電通顧問をコーディネーターに、「日中ビジネスのリスクマネジメント」について討議した。各パネリストが、自社が直面しているリスクを踏まえて対応策について議論した結果、(1)市場経済をベースにした取引ルールを明確かつオープンにすること (2)国際ルールに基づく経済政策の実行など政策環境の改善を図ること (3)情報公開を徹底し、市場の透明性を増大させること (4)リスクミニマムに向けて両国企業が相互理解・コミュニケーションの深化を図ること (5)企業はリスクの事前・事後評価システムを整備し、リスク発生後には迅速・適切な行動を取ること (6)社会に受け容れられ魅力ある企業となること――が必要との結論に達した。

パネルディスカッション第2部は「日中ビジネスの新たなアライアンス」。引き続き福川氏がコーディネーターを務め、井植敏・三洋電機会長、千速晃・新日本製鐵会長、張瑞敏・ハイアール集団首席執行官、徐楽江・上海宝鋼集団副総経理がパネリストとして参加した。各パネリストが、両国間の合弁事業や提携について実情を報告。続いて行われた討議では、今後のアライアンスに不可欠な事項として、(1)政治や行政面での条件整備と情報公開 (2)アライアンスの目的の明確化 (3)新たな環境条件に即したアライアンスの絶えざる進化への努力 (4)基本としてのコミュニケーションと信頼関係醸成――などを挙げた。


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