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経営タイムス No.2714 (2004年3月18日)

春季労使交渉、金属大手に回答

−好調な業績は一時金に反映


17日を回答指定日として賃上げ、一時金などの要求を提出していた鉄鋼、自動車、電機、造船重機など金属労協に加盟する主要労働組合に対して経営側は同日、いっせいに回答を示した。賃上げについては、ベースアップ要求をしていた日産自動車ではベア1000円の回答が示された。その他の自動車・電機・造船の大手各社では、賃金体系の維持などの回答が示されている。一時金については、好調な業績を反映して自動車や電機を中心に前年比で増額回答が多くなった。

◎ 鉄鋼

複数年交渉の4ラウンド目となる鉄鋼では、新日鉄、JFE、住友金属、神戸製鋼ともに04年・05年それぞれ定昇3700円の回答。一時金については、住友金属は年間150万円(昨年110万円)で組合要求通りの回答が示された。新日鉄、JFE、神戸製鋼は業績連動方式を採用している。各社で要求の出されていた中期賃金改善要求については、別途、労使協議の場を設けることとなった。

◎ 自動車

自動車業界では、主要12労組のうち日産自動車とヤマハ発動機がベアを要求していたが、日産自動車ではベア1,000円の回答が示された一方で、ヤマハ発動機は「賃金水準向上分1000円の昇給は実施しない」の回答となった。一方、ベースアップ要求を見送ったトヨタ自動車は6500円。一昨年に制度を見直したホンダでは要求が出されていない。一時金は、トヨタ自動車が年間235万円(昨年は237万円)で、昨年を下回ったものの要求どおりの満額回答。その他でも、日産自動車、年間209万6000円(同201万8000円)、ホンダ年間6.55カ月(同6.4カ月)、マツダ年間176万9000円(同166万6000円)など、昨年の水準を上回る回答が示されている。

◎ 電機

電機メーカーの労働組合で構成されている電機連合が13日にストライキ回避の基準を「賃金体系の維持と、4カ月の一時金の確保」とする方針を13日に固めていた電機業界では、大手17社とも35歳技能基幹労働者あるいは30歳技術基幹労働者のいずれかのポイントでの賃金体系維持がなされることとなった。一時金については、日立製作所139万1746円=4.65カ月(昨年122万9370円=4.3カ月)、三菱電機年間127万9000円=4.45カ月(同109万8000円=4.0カ月)、シャープ年間162万1792円=5.17ヵ月(同155万2466円=5.0カ月)との回答となった。東芝、富士通、NEC、松下電器産業などは業績連動方式を採用している。

◎ 造船

造船各社の労組はベースアップ要求をしておらず、一時金については、三菱重工年間47万円プラス3.5カ月(昨年50万5000円プラス3.5カ月)、石川島播磨重工年間14万円プラス3.5カ月(同20万円プラス3.5カ月)、川崎重工年間20万円プラス3.5カ月プラス2万円(同28万円プラス3.5カ月プラス生産協力金2万円)、住友重機年間40万円プラス3.5カ月(同7万円プラス3.5カ月)、三井造船年間20万円プラス3.5カ月プラス3万円(同27万円プラス3.5カ月)という回答が示されている。


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